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国境税調整の衝撃 PART29

昨日のNY市場は目を疑うような下げに見舞われた。序盤のNYダウは50ドルほど上げていたので、まさか200ドルを超える急落になるとは思わなかった。原因はトランプ政権が簡単に実現できると思われていたオバマケア(医療制度改革)の撤廃という看板政策の実現に疑問符がついたからである。私は先週末の株式新聞のコラム「株式調査ファイル」で、トランプ政権が国境税を柱とする税制改革に身内の共和党上院議員がほとんど反対していて、税制改革法案は先送りされると書いた。その代わりに、オバマケアの撤廃を先に議会に提出するとも書いたが、現行のオバマケアを代替する共和党案では2018年までに保険未加入者が1400万人増えると超党派の議会予算局が指摘したこともあり、常識派の多い共和党上院では反対を表明する議員が少なくないという。簡単に実現できると思われていたオバマケアの撤廃まで苦戦するとなると、さらにその何倍もハードルの高い「驚異的な税制改革」法案は、実現まで数年かかるか、あるいは国境税を引っ込めて、法人減税を優先するといった大幅なトーンダウンになる可能性もある。いずれにしても、これまでトランプ大統領が掲げていたトランプ...
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国境税調整の衝撃 PART28

明日からの3連休を控えて、今日の相場は引き続き弱含みだった。これは今夜のNY市場が、日本でいうところのメジャーSQ(トリプル・ウィッチング)であることと関係が深いと思われる。ファンド勢を中心とする外国人投資家の多くは、今日でヘッジポジションを組み直すことになるからだ。つまり、先週末の日本のSQに加えて今日のNY市場のSQが通過し、来週から相場はかなり自然体に戻る。日本では3月期末の決算対策売りも今週でほぼ一巡したはずだから、来週からは需給関係もいくらか改善することだろう。配当・権利取りの動きも来週から再び活発化しそうだが、日経平均を大きく押し上げるほどの動きは期待できない。配当・権利取りだけに限ってみれば、せいぜい配当落ち分を穴埋めして少し余る程度の上昇になると見ておくのが無難である。それ以外に何らかの好材料が出てくれば、トランプ政権の国境税先送り期待との相乗効果で、日経平均が2万円の大台に迫る可能性は十分ある。
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国境税調整の衝撃 PART27

今日3月15日から明日にかけて、大イベントが集中する。まず、今夜のFOMC(連邦公開市場委員会)での利上げ決定は、ほぼ確実視されている。問題は従来の見通し通り、年3回の利上げペースなのか、それとも年4回になるのか。そこが判明しないと、ただでさえ身動きがとりづらい投資家の心理は改善されない。次に今夜のオランダの総選挙だが、これはどうも極右政党による政権交代にはなりそうもない。現政権がトルコに対して厳しい右寄りの姿勢を示したことで、EU離脱派の有権者の支持を与党が繋ぎ止めた格好である。そして3つ目のイベントは、明日のトランプ政権による予算教書の議会提出だが、これは各省庁の幹部人事がほとんど決まっていないこともあり、具体策がまったくない予算教書になりそうで、今回もまた先月末のトランプ大統領の議会演説と同様、国境税には触れない可能性が高い。3つのイベントを総合すると、霧が晴れそうなのは米国の利上げ見通しがどうなるかだけで、あとは現状と変わらず、先行きが見通せない状況に変わりはない。そもそも、今年はEU主要国の選挙イヤーだが、私はそんなことどうでもいいと思っている。EUから出て行きたい国はとっと...
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国境税調整の衝撃 PART26

先週末発表の米雇用統計が市場予想を大幅に上回る数字だったため、明日、明後日のFOMC(連邦公開市場委員会)でFRBは間違いなく利上げに動きそうだ。そして16日には米議会に問題の予算教書が提出される。ただ、トランプ政権の幹部人事のうち、まだ8割が議会承認待ちの状況なので、今回の予算教書は概要の概要程度に過ぎないものになりそうだ。したがって、予算教書では国境税に触れることはないというのが関係者の大方の見方である。私の講演会では何度か指摘したのだが、国境税導入を進める共和党下院に対して、共和党上院の議員は大半が反対で、法案の条文さえ全く書けない状態だという。多くの共和党上院議員は、国境税の導入によって米国内の物価が急上昇するリスクがあることを心配している。また、国境税は現状では明確にWTO(世界貿易機関)違反になるので、良識派の多い共和党上院議員の大半を賛成に翻意させるのは容易なことではない。最近、マツダや富士重といった大手自動車メーカーや、富士機工や八千代工業などの自動車部品株が大きく買われているのは、国境税が当初恐れられていたものより、相当緩いものになりそうなことを暗示していると言えるだ...
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国境税調整の衝撃 PART25

今日のメジャーSQは踏み上げ気味に通過したが、依然として市場には国境税に対する疑心暗鬼が渦巻いている。このため、日経平均は昨年来高値にあと45円と急接近したにも関わらず、投資家の弱気心理がほとんど改善していないようである。3月期末の配当取りの動き以外、積極的に株を買おうという勢力は見当たらない。もっとも、ドル円相場が1カ月半ぶりに115円の大台に乗せ、輸出関連株が一斉に買い戻された流れを見ると、ここ2カ月ほど売り越し基調が続いていた外国人投資家が、再び買い越し基調に転換する兆候と読むこともできる。それは国境税が一段と日本企業にとって悪影響が少なくなる方向で導入されようとしていることの裏返しなのではないか。しかし、今は期末が近いため、様々な投資家の思惑が交錯して相場が形成されている。3月期末に合わせたドレッシング買いも今後は増える可能性がある。ただ、例年3月期末、あるいは4月上旬に向けて相場が上昇する傾向が強くなる一方で、よくあるゴールデンウィーク危機やセル・イン・メイのアノマリー(理論では説明できない規則性)にも注意を払う必要があるから、基本的には警戒モードを継続するのが無難である。
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国境税調整の衝撃 PART24

今週末は日経平均など株価指数先物とオプションの精算日が重なるメジャーSQだが、今日はその2日前の水曜日で「急落の急所」と言われる特異日である。日経平均は朝方、スルスルと値を下げて140円以上も安くなったが、後場は例によって日銀のETF買いが出たと見られ、90円安まで戻って引けた。17:30現在、日経225先物は1万9300円前後と、日経平均の今日の安値1万9198円から約100円高い水準であり、ヘッジファンドなどの投機筋が日経平均を売り崩す動きにはなっていない。トランプ政権は市場が注目している予算教書を3月16日に発表すると予告したが、議会承認が必要なトランプ政権の主要ポスト530余りのうち、まだ500前後が議会の承認待ちになっていて、現状はとても予算教書をまとめられる状況にはない。先月末のトランプ大統領の議会演説同様、もし3月16日に予算教書が発表されるとしても、国防費や社会保障などの大まかな予算の配分が示される程度で、再び問題の国境税についてはスルーする可能性が高い。それだけ国境税には議会や産業界の抵抗が強烈なのだろう。こう読むと、やはり主力株や輸出関連株は手掛けづらく、引き続き東...
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国境税調整の衝撃 PART23

日経平均は今日も軟調に推移し、前場、後場ともに前週末比で100円前後安い1万9380円近辺で推移した。国境税の中身が先月末のトランプ大統領の議会演説で判明しなかった以上、国内機関投資家の多くは身動きがとれないから、東証一部の主力株が軟調になるのは致し方ない。しかし一方で、東証二部やジャスダック市場は今日も大幅高して、昨年来高値を更新している。株式新聞や日刊ゲンダイのコラム、講演会、それに当ブログでも再三書いているように、今は来年度からのスチュワードシップ・コード(責任ある機関投資家指針)の改定が原動力になって、割安株の歴史的な水準訂正の最中であり、それが大量にある東証二部とジャスダック市場には東証一部からの資金シフトが加速している状態である。考えようによっては、東証二部やジャスダック市場の割安株が上昇しているのはトランプ大統領のおかげと言えなくもない。国境税の概要が判明していないことで、業績不安のある輸出関連株や主力株への資金流入が遮断されているわけで、割安株はスチュワードシップ・コードの改定との合わせ技で、棚ぼた式に値上がりしている感じである。もちろん、いくら割安だからといって、全て...
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国境税調整の衝撃 PART22

トランプ大統領の議会演説で国境税の内容が判明しなかったにも関わらず、きのう日経平均は昨年来高値を更新した。売り方の買い戻し(ショートカバー)が主因と見られるが、決算期末が近づいているだけに、今月半ばまでは投機筋の大量のショートカバーが日経平均株価を支えると予想される。問題は、そのショートカバーが一巡した頃に、トランプ政権が予算教書を発表するタイミングであることだ。米国では3月15日に連邦債務が議会で定められた上限に達する「財政の壁」を迎える。順当ならそれまでに予算教書ができあがるはずだが、先日のトランプ大統領の議会演説で国境税にまったく触れられなかったくらいだから、あと2週間当たらずで予算教書がまとまるとは思えない。つまり、3月いっぱいは国境税という「驚異的な悪材料」の中身が宙ぶらりんのままで、投資家は相場に立ち向かわなければならない。こうなると、やはりいくら相場が堅調だとはいえ、安全策をとるのが無難である。いつも言っているように、日本株は今、来年度からのスチュワードシップ・コード(責任ある機関投資家指針)の改定で、増配余力の大きい割安株(バリュー株)が歴史的な水準訂正局面にある。その...