ヤマモト

ブログ(会員限定)

新型コロナ・ショックの行方 PART11

今日も日経平均は大幅に続伸し、1454円高の1万9546円で終わった。上げ幅は26年ぶりの大きさで歴代5位だという。寄り付き前からトランプ政権が打ち出した総額2兆ドル(約220兆円)の緊急経済対策が合意寸前と伝えられていたし、昨日のNYダウも2112ドル高の2万704ドルと過去最大の上げ幅になったため、前場から1000円ほど上げていたが、午後2時頃に与野党の議会指導部が合意したと報道されて一段高となった。これまではコンピューターによるアルゴリズム取引が悪材料ばかりに強く反応して、株価は世界的にフリーフォール状態だったが、米国の2兆ドルの緊急経済対策の実現性が高まったことで転換点を迎え、今度は逆にアルゴリズム取引が好材料ばかりに反応して株価は世界的に猛反発の流れとなった。ただし、期末が接近して業績予想の大幅下方修正や景気指標の劇的な悪化に注意が必要だ。今日も引け後に丸紅が今期の純利益予想を2000億円の黒字から1900億円の赤字に下方修正するという事件があった。詳細は確認していないが、原油価格の暴落で商社はシェールガスや油田、その他、鉄や非鉄金属などの権益の減損、航空機や産業機械、プラン...
ブログ(会員限定)

新型コロナ・ショックの行方 PART10

世界同時株安の中で、日本株だけが先週末から下げ止まっている。日銀のETF(上場投資信託)買いが倍増というか、先月からは3倍近い増加になっていることや、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)などの公的年金がリバランスで買い出動しているものと見られる。公的年金の買いは、株価の値下がりでポートフォリオに占める株式の比率(日本株25%)が低下したため、それを上昇させるための買いと見て間違いなさそうだ。今朝はトランプ政権が提示した総額2兆ドルの経済対策に対して野党の民主党が異議を唱え、22日中の与野党の法案のすり合わせが失敗し、今日予定されていた上院での採決ができなくなったという。これを受けて、NYダウ先物は時間外取引で再び1000ドル近くも下落した。17時40分現在で770ドルほど下げている。この2兆ドルの緊急経済対策が議会で可決されないと米国株は下げ止まりそうもないが、民主党がどこまでも反対を押し通すと11月の議会選挙で大敗する可能性があるため、今日、明日中に妥協を迫られるのではないか。この民主党の反対による緊急経済対策の漂流で、日本以外の主要国の株価は急落している。当面はこの2兆ドルの...
ブログ(会員限定)

新型コロナ・ショックの行方 PART9

昨日の夜、富士フイルムHDのインフルエンザ薬「アビガン」が新型コロナウイルスの治療効果が高いとして、中国政府が正式に治療薬として推薦すると発表した。当初は米ギリアドサイエンシズ社の抗エボラウイルス薬「レムデシビル」が最有力と見られていたが、「アビガン」の副作用の少なさや、耐性菌が生まれないため、予防薬としても使えることが評価されたようだ。世界は新型コロナウイルスに対して、ようやく有効な武器を手に入れることになった。これをきっかけに株式市場の潮目が大きく変わる可能性がある。全世界の人々の多くに幅広く投与できるワクチンの開発は、臨床試験に1年前後かかるため、みんなが安心して海外旅行やコンサートなどに出かけられるまでには相当な時間がかかる。しかし、有力な治療薬が出てきた以上、感染しても医療機関で対処できるようになる。もちろん、医療崩壊が起きないことが前提だが、今は感染していても重傷者でなければ自宅療養を強いられるだけで薬は出ないから、感染者の心理状態は雲泥の差が出る。前述したように、予防薬としても使えるため、家族に感染者が出た場合でも、家族も同時に「アビガン」を飲むことによって感染リスクがほ...
ブログ(会員限定)

新型コロナ・ショックの行方 PART8

FRBは昨日の日曜日に1%の緊急利下げと量的緩和の再開を電撃的に発表した。前回の0.5%の緊急利下げがまったく株価に効かなかったため、次に利下げしても効果は限定的と見られていたが、量的緩和(QE)の再開をもってしても、コロナ・ショックによる株価の急落を止められなかったことは、市場心理の悪化に追い打ちをかける結果になった。NYダウは今朝の時間外取引で1200ドル以上急落してサーキットブレーカーが発動し、取引中止になっている。日銀もFRBに追随して政策決定会合を今日に1日前倒しし、ETF(上場投資信託)購入枠の倍増(6兆円→12兆円)を決めたが、こちらも急落している株式相場の流れを変えるまでには至らなかった。日経平均は一時350円ほど急反発したものの、大引けは429円安と引け値ベースで安値を更新してしまった。主要国は政策総動員体制でコロナ・ショックに対応しているように見えるが、パンデミックの中心地である欧州の対応がまったくもって力不足である。欧州中央銀行(ECB)も先週、量的緩和を拡大すると発表したが、規模も小規模だし、ETFを通じた株の購入まで踏み込まなかったのが投機筋に見透かされた。今...
ブログ(会員限定)

新型コロナ・ショックの行方 PART7

世界の株式市場はリーマン・ショック級の暴落に見舞われている。WHOが新型コロナウイルスのパンデミックを宣言したことで、トランプ大統領がイギリスを除く欧州からの入国を30日間拒否するとテレビ演説したことで市場に衝撃が走り、それがさらなる暴落の引き金になった。この突然の米国の入国拒否宣言により、NYダウは2日間で4000ドル近く急落、日経平均は3日間で一時3200円超の急落となった。しかしながら、感染源の中国では、国内の感染拡大が収束しつつあることを追い風に、上海総合株価指数がここ数日は急落を免れている。その反対に、免疫力が弱い日本や欧州の株式市場は底値模索が続いている。1月まで史上最高値を更新し続けていた米国株も、投機筋の空売り攻勢になす術なしといったところである。当面、日本を含めて中国以外の主要国は強権を発動して人の移動制限や医療崩壊を防ぐ体制を構築するほか手の打ちようがないにように見える。日米欧の主要国は金融当局が連携して量的緩和や利下げなどで協調体制を敷くしかないだろう。リーマン・ショック時のような金融システム危機を防ぐには、株式や社債、ローン担保証券(CLO)などのリスク資産を躊...
ブログ(会員限定)

新型コロナ・ショックの行方 PART6

日本時間の今日の深夜、米国でトランプ大統領とゴールドマンやJPモルガン・チェースなど大手金融機関トップとの会合が開かれる。コロナ・ショックが金融市場や経済、企業にどのような影響を及ぼすのかを議論し、対応策などを検討するという。これと似た会議は一昨年のファーウェイ・ショック後やリーマン・ショック時などにも開かれたが、その後の米国の金融市場安定化策など政策発動に直結している。トランプ大統領は自身を含めて閣僚など政権の経済チームを9日に招集して緊急経済対策を議論した。そしてトランプ大統領は税収の3分の1を占める給与税をゼロにする減税をやると言い出した。それを好感して、昨日のNYダウは1200ドル以上急反発したが、減税の決定権は議会にあるため、その実現性が乏しいとして一時NYダウはマイナスに転じる場面もあった。今日、日経平均が451円安と急反落したのも、米国の給与減税の実現性を疑問視して時間外取引でNYダウの先物などが急落したことが原因である。米中経済戦争の発端となった関税の引き上げは大統領権限でできるため、トランプ大統領の“鶴の一声”で事態が悪化したり好転したりしてきたが、減税となると即効性...
ブログ(会員限定)

新型コロナ・ショックの行方 PART5

世界的な株価の急落が止まらない。株だけでなく、原油、ドル、ビットコインなども急落している。今日は原油価格が30%超の暴落となる一方、ドル・円相場が1日で5円近くも円高に振れるなどマーケットは激震に見舞われた。東証一部市場は全銘柄の約99%に当たる2165銘柄が値下がりした。今回のような歴史的な株価の急落局面では、相当割安になった銘柄でも二番底、三番底と一段の急落に見舞われることがあるので、安易なナンピン買いは禁物である。今はリスク回避に努めて生き残りを図る戦略をまず第一に考えるべきだろう。原油の暴落による悪影響も警戒する必要がある。すでに今日の劇的な円高ドル安も日経平均の1000円以上の急落も、原油暴落の副作用によるところが大きいと見られる。原油の買いポジションが大きかったヘッジファンドや投資ファンドは保有資産の投げ売りに動いたはずだからだ。今晩の米国株の動きがどうなるか注視したい。
ブログ(会員限定)

新型コロナ・ショックの行方 PART4

きのうのNYダウが再び1000ドル近い急落になったことで、日経平均も700円を超す急落となった。円高が105円台まで進んだことも嫌気された。さらに今日はネット証券大手の松井証券で午後にシステム障害が起き、発注遅延が起きたことも混乱に拍車をかけた印象だ。米国で新型コロナウイルスの感染者が急増しそうな兆候があることも投資家心理を冷やしている。今日は日本政府が韓国からの入国を大幅に制限する感染抑制策を出したことに対し、韓国側が対抗措置を検討すると表明するなど、主要国の往来制限が世界経済のさらなる下振れを招く恐れがあることが改めて注目された。米CDC(疾病対策センター)などの感染症の専門家は新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)は避けられず、時間の問題で起こるとの認識を示しているが、これが株式市場にも広く浸透してきた感じだ。インフルエンザは毎年のように世界的に大流行しているが、パンデミックとはされていない。新型コロナウイルスも季節性インフルエンザのように毎年感染者が急増する感染症として定着するとの見方が有力だ。ただ、季節性インフルエンザとの決定的な違いは、またワクチンと効果的な標準治...
ブログ(会員限定)

新型コロナ・ショックの行方 PART3

昨日の夜、FRBが0.5%の緊急利下げを発表した。それにも関わらずNYダウは一時1000ドル近く下げ(997ドル安)、引けでも785ドル安で終わった。今日は時間外取引で下げ幅の半分ほどを戻しているが、市場が混乱しているのは間違いない。そもそも、その前日にNYダウが1280ドルと史上最大の上げ幅になったのは、FRBの動きが一部で漏れていたからではないのか。要は、FRBの緊急利下げは前倒しで相場に織り込まれたと見るのが妥当だろう。また、今回は緊急利下げよりも量的緩和の再開を正式に認めた方が効果が高かっただろう。FRBは短期国債の異例の買取りを通じて昨年から資金供給を大幅に増やしているにも関わらず、それを量的緩和(QE)と断固として認めていない。前回書いたように、日銀も月曜日に総裁談話を発表してETF(上場投資信託)買いを4割増額するという、一時的な追加緩和を行なっている。12年前のリーマン・ショック時や85年のプラザ合意後の協調緩和のように、主要国の金融当局が連携してコロナウイルスによる経済への悪影響を和らげようと水面下で動いているのだろう。
ブログ(会員限定)

新型コロナ・ショックの行方 PART2

日本株はようやく反発したが、まだ安心できる情勢ではない。今日は日銀が10時前に株価対策として金融緩和姿勢を打ち出す「総裁緊急談話」を発表。これで日経平均は300円安から上昇に転じ、大引けでは201円高となった。日銀は緊急談話に続いて午前中のTOPIX(東証株価指数)の終値がプラスになっていたにも関わらず、異例のETF(上場投資信託)買いを敢行。しかも、いつもの約700憶円から4割強増額した1002憶円を購入したと引け後に発表している。これでヘッジファンドなどの投機筋も、調子に乗って先物で日本株を売り崩せなくなってきたと言えるだろう。日銀はETF買いについて以前から「弾力的な運用」を標榜していて、今後も株価が急落するようなら、一段の購入枠拡大もありそうである。FRBや中国人民銀行も金融緩和姿勢をアナウンスしていて、久しぶりに主要国の中央銀行が協調行動に動いている。株価の急落は各国で政策催促相場の様相になっていて、新型コロナウイルスの感染拡大の終息が見えてくれば、相場の潮目の変化も劇的なものになるだろう。東日本大震災や同じ年に起きたタイの洪水被害のように、インフラや生産設備が被災したわけで...