ヤマモト

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TPP大筋合意先送りをどう読むか PART4

日経平均は寄り後の安値2万617円から191円高い2万808円で引けた。終値ベースでは今年4番目の高値である。また、TOPIX(東証株価指数)とJPX日経400は9日続伸となり、ともに年初来高値を更新して引けた。サマーラリーというほどの熱気はないが、結果だけを見ると、そういうことになっている。先月末にTPP(環太平洋経済連携協定)の大筋合意が見送られ、次回の閣僚会合も9月以降に延期される中で、これだけ日本株が高くのは一体なぜなのか。NYダウが過去あまり例がない7日続落となり、5月の年初来高値1万8351ドルから一時1000ドル以上も急落する中での日本株の堅調さはなかなか説明がつきにくい。本来なら、売り手の多いはずのお盆休みに日経平均は19年ぶり、TOPIXは8年ぶりの高値圏にあるわけで、ここは素直に順張りで行くのが正解かもしれない。TPP関連株も徐々に買い直されているので、やはり延期されたとはいえTPPの大筋合意か妥結が近いのは間違いないのだろう。少なくとも、米政府やその情報を知りうる大口投資家はそう捉えているとしか思えない。決算発表シーズンは今週末で終わる。14日はオプションSQもあ...
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TPP大筋合意先送りをどう読むか PART3

前回、5日の日経平均が一時194円高して年初来高値に近づいたのは、次回のTPP閣僚会合の日程が決まりかけたからでは?と書いた。ところが、翌日には「8月中に次期会合を開くことを日本政府が断念した」と報道された。確かに、開催日程の協議をしたからこそ株価も大きく動いたのだろうが、9月以降に延期されたにも関わらず、日経平均は今日で3日続伸である。一体どうなっているのだろうか。TPP交渉の主導権を握っているのはあくまでも米国である。今回、日本政府が8月中の閣僚会合開催を断念したのは、米側の交渉担当者が夏休みに入って連絡が取れなくなったからと言われる。連絡がつかないかどうかは別として、要するに米国が今月中はやらないと決めたのだろう。ちなみに、今月末にはASEAN経済閣僚会合が開かれるので、チリ以外のTPP参加国の経済閣僚は全て顔を合わせることになる。来週は「お盆休み週」なので、例年、多くの投資家がその直前にかなりポジションを整理する。特に信用買いの多い個人投資家は結構思い切って処分売りを出すために、まさに今週は信用買い残の多い銘柄ほど急落しやすかったと言える。そこを狙ってヘッジファンドが売り仕掛け...
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TPP大筋合意先送りをどう読むか PART2

きのうのNYダウの小幅安を受けて、今日の日経平均は小幅安で始まったが、10時半頃からプラス転換して、後場寄りには一時前日比194円高まで急上昇した。市場では「円安を好感した」と解説されているが、為替相場はニューヨーク時間から124円台で推移していたし、10時半ごろに急に円安になったというわけではなく、むしろ対ユーロではかなり円高に振れているので、この解説はいい加減でまったく納得できない。今日は上海株も午後から急落して、いい地合いとはとても言えない状況だった。前回、TPP(環太平洋経済連携協定)大筋合意見送りで日経平均がたったの37円安で終わったことを書いたが、今日の日経平均の奇怪な動きから推測して、おそらく次回のTPPの閣僚会合の日程が決まりかけたのでは?と私は見ている。そうでなければ、日本株は毎年お盆休みに急落しやすいというアノマリー(理論では説明できない規則性)が発動されるタイミングで、TPP大筋合意見送りという特大の悪材料が出たにも関わらず、日経平均が19年ぶりの高値圏で堅調に推移しているというのは、本来あり得ない気がする。水面下で好材料が動き出していると見るべきではないか。
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TPP大筋合意先送りをどう読むか

今回のTPP(環太平洋経済連携協定)閣僚会合で大筋合意が見送られたため、今日の日経平均は暴落に近い下げになってもおかしくはなかった。しかし、フタを開けてみたら、結局37円安と予想外の小幅安で引けた。甘利TPP担当大臣によると、今月末までに次の閣僚会合を開くことが参加12カ国の共通認識になっているとのことで、投資家の期待をどうにか繋ぎ止められた格好だ。しかしながら、今回の会合で次の閣僚会合の日程が決められなかったことや、本当に次の会合で合意できるのかという懸念は残る。一方で、議長国の米国がバイオ新薬のデータ保護期間12年を主張し続け、事前に各国に根回ししていなかったというのも気になる。要は、議長国の米国自身が今回は合意する気が実はなかったのではないか?という疑念が残るのである。各国ともTPP交渉で過度に譲歩しないよう、国内企業や関連団体などから突き上げを受けているため、いくら米議会でTPA(大統領通商一括交渉権)法が成立したとはいえ、その初回の閣僚会合で合意したとあっては、米国をはじめ、日本やカナダ、オーストラリアなども過度に譲歩したという印象を与えかねない。つまり、いわばマッチポンプで...
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月末のTPP大筋合意を織り込む相場に PART6

今日は決算発表シーズン前半のヤマ場となったが、事前にファナック・ショックで輸出関連の値がさ株が急落した反動もあって、思いのほか日経平均は堅調に推移している。また、月末でファンド勢などからドレッシング買いも入ったようだ。きのうの深夜からのニュースを見ていると、今回のTPP(環太平洋経済連携協定)閣僚会合は「大筋合意」ではなく、最終合意すなわち「妥結」を目指しているような感じがする。以前から甘利TPP担当大臣は今回の閣僚会合で「妥結を目指す」と発言しているのだが、報道ではそれがことごとく「大筋合意を目指す」に差し替えられているのである。大筋合意と妥結の違いは、大筋合意が政治決断の一歩手前の状態を指し、妥結はそれが済んだ最終合意の状態を指すことにある。政治的な交渉権限を持つ参加12カ国の閣僚が9か月ぶりに出張って来ているのだから、確かに大筋合意ではなく、やろうと思えば妥結も可能なのである。実は、今回の閣僚会合で妥結しないと、日程的に大統領選を来年に控える米国のTPP批准は、再来年以降になってしまうのだ。このため、明日のニュースでは電撃的に「TPP妥結」と流れる可能性が意外に高いと私は見ている...
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月末のTPP大筋合意を織り込む相場に PART5

今日はファナック・ショックとも呼ぶべき1日だった。きのうのNYダウが189ドル高、CMEの日経225先物もわずかながらプラス圏で戻ってきたにも関わらず、今日の日経平均は前場で一時123円安まで売られ、ほぼ終日マイナス圏で推移した。きのうの大引け後に、ファナックが大幅な業績の下方修正を発表したからである。ちなみに、今日の上海総合株価指数は一時1%ほど下落したものの、大引けでは126ポイント(3.4%)高の3789ポイントと大幅高になった。しかし、今日は中国株というよりも、中国向け主力のファナックの受注が急減し、アナリスト予想を大幅に下回る業績の下方修正が嫌気されて、ファナック株は一時3485円(15%)安の1万9985円と5か月ぶりに2万円の大台を割り込んだ。ファナックは今年3月、自社株買いと配当を合わせた5年平均の総還元性向を8割にすると発表し、株価が20%以上急騰したのだが、中国株の急落と今回の悪材料発表の相乗効果で、年初からの上昇分がすべて吹き飛ばされた格好だ。ファナック・ショックの連想で電機・機械セクターを中心に中国関連株が軒並み値を崩したため、今日は日本株だけがマイナス圏に沈ん...
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月末のTPP大筋合意を織り込む相場に PART4

日本市場は今週から第1四半期の決算発表が本格化する。先行する米市場では、期待外れな決算を発表する企業が多く、株価が急落する銘柄が目立つ。アップルやIBM、マイクロソフトなどだ。中国の景気減速に伴って、第2四半期の業績予想がいまいち悪いのも株価低迷が長引く要因と言える。これは、日本の決算発表でも同じことが言えるだろう。ただし、日本株の関しては、明日から始まるTPP(環太平洋経済連携協定)閣僚会合で大筋合意が実現すれば、まったく流れが変わる可能性がある。今日の午前中までの報道によると、TPP交渉は31分野中、決着したのは17分野にとどまるとのこと。先週24日から行なわれている参加12カ国の主席交渉官会合は、日本時間で明日午前中に終了するが、国有企業分野と市場アクセス(関税)分野で一定の進展があったものの、現状では明日からの閣僚会合で1日あたり3分野以上の決着が必要になる。今日は中国株が久々に大きく急落していて、上海総合株価指数は先週末比345ポイント安(8.5%安)の3725ポイントと尋常でない下げになった。株価を下支えしてきた政府資金が引き上げられるとの観測が浮上したというが、もっと別の...
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月末のTPP大筋合意を織り込む相場に PART3

米国市場が決算発表シーズン真っ盛りということもあって、どうも株価は世界的に冴えない動きになっている。米主力企業の4-6月期決算は、ドル高や資源安が大きく響いて小幅ながら数%の減益が予想されている。これまでの決算発表ではアナリスト予想を若干上回って着地する企業が多いものの、今期(7-9月期)の見通しが総じて弱いために、上値を買いに行く投資家は限定されているのが実情である。逆に日本企業は、円安メリットで業績が上振れる企業が多いと予想されるものの、仮にそうであっても、第1四半期が終わったばかりの今の段階で業績予想を上方修正する企業は極めて少ないのは例年通りと見ていい。中国の株バブル崩壊による景気の下振れ懸念もあって、輸出関連株は円安メリットが相殺されるとの見方もある。これに関してはインバウンド(訪日外国人旅行者)関連株も同様だ。そうなると、やはり消去法でTPP(環太平洋経済連携協定)関連株が物色されやすい。好業績の輸出関連、インバウンド関連は中国のバブル崩壊の影響がくすぶりそうだし、お盆休み前に利食い売りが当然増えるとも読める。それに対してTPP関連は今月末に本当に大筋合意できるのか疑わしい...
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月末のTPP大筋合意を織り込む相場に PART2

前回、「今月末にかけてはTPP(環太平洋経済連携協定)関連株が物色の柱になるだろう」と予測した。さらに、「TPP関連の低位株はきっかけ次第で株価が急騰する銘柄が日替わりで現れるだろう」とも書いた。実際、林兼やジャパンフード&リカー、オーケー食品などが商いを伴って一時暴騰した。林兼とジャパンフード&リカーは、先週水曜日の株式講演会「絆の会」で紹介したほか、先週末17日のラジオ日経「朝倉慶の株式フライデー」でも、月1レギュラーの私が簡単に紹介したこともあってか、どちらも一時、発行済み株式を上回る大商いとなった。ジャパンフード&リカーは先週末の始値が61円、今日は一時107円まで暴騰したものの、引け値は11円安の71円で終わった。今日は時間外取引でアップル株が一時8%急落したことを受けて、アップル関連の値がさ株が軒並み連想売りを浴びて、結局、日経平均も248円安と今日の安値圏で引けた。ただ、場中に急落した上海総合株価指数は東京市場が引けた後に大きく戻し、結局はプラス8ポイントの4026ポイントと4000ポイントの大台をキープして終わった。きのうまでの6営業日で日経平均は1060円も戻したため...
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月末のTPP大筋合意を織り込む相場に

今月28日から31日までの4日間、ハワイでTPP閣僚会合が開催される。一部報道では「今回の閣僚会合での大筋合意は難しい」との交渉関係者の見方が紹介されたが、今週に入って甘利TPP担当大臣が、「どうしても間に合わない国があるとすれば、後から参加してもらう選択肢もあるかと思う」と重大発言をした。要は、交渉が遅れているカナダ、ニュージーランド(マレーシアも含めるとの見方もある)の2〜3カ国を置いてきぼりにして、ひとまず9〜10カ国で大筋合意を図る戦略のようである。この戦略で行くならば、今月末の大筋合意はほぼ確実と見ていいだろう。閣僚会合の直前の24日から27日までは、同じくハワイでTPP主席交渉官会合が開かれるから、そこで合意する国と合意を見送る国とがハッキリしてくるだろう。もちろん、交渉全体のカギを握る日米はギリギリの日程で合意に持ち込むはずだ。こう読むと、来週から月末までの2週間は、TPP関連株が物色の柱になると推測される。今月初めまでの相場テーマの中心はインバウンド(訪日外国人旅行者)消費だったが、中国株のバブル崩壊によって爆買いが抑えられるとの懸念から、インバウンド関連株の人気は離散...