ヤマモト

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TPP総合対策本部が始動

TPP(環太平洋経済連携協定)の大筋合意により、これまで停滞していたアベノミクス「第三の矢」の成長戦略が一気に動き始めようとしている。ちなみに、安倍総理が先月発表した「新三本の矢」は、来年7月の参院選対策の色彩が濃いと言える。株式市場ではほとんど相手にされていないが、安倍政権としては「旧三本の矢」をしばらく国民に忘れていてほしいのかもしれない。安倍総理は全閣僚をメンバーとするTPP総合対策本部を設置すると6日に表明した。なぜ全閣僚が対象なのかと言えば、TPPで影響を受ける分野が農業や医療などにとどまらず、ほぼ全産業に及ぶからである。設置表明からわずか3日後の今日、初会合が開かれ、3つの基本方針が発表された。「新市場開拓」、「イノベーション促進」、「国民不安の払拭」である。安倍政権の政策と言えば、国家戦略特区に代表されるように、遅々として進まない政策がほとんどだ。しかし、今回のTPP対策は別格のスピード感がある。TPP対策を名目とした景気対策を早期に打ち出す必要があるからだろうが、それについては農業対策が中心になるため、補正予算の規模も比較的大きくなると予想する。しかし、株式市場にとって...
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TPPの次は欧州連合とのEPA交渉

大筋合意に漕ぎつけたTPP(環太平洋経済連携協定)の余勢を駆って、日本は欧州連合(EU)とのEPA(経済連携協定)交渉を年内にも本格化させる見通しだ。安倍政権はTPPを柱とする自由貿易協定で事実上、第二の開国を行ない、日本国内の市場を開放するとともに、遅ればせながら日本企業の国際競争力の強化を図る算段である。これに欧州とのEPAが加われば、自動車産業を中心に輸出企業には強烈な追い風が吹く。というのも、フォルクスワーゲンの排ガス不正問題をきっかけに、欧州では新車の半分以上を占めるクリーンディーゼル車のインチキがバレ、ガソリン車やハイブリッド車を見直す動きが広まりそうだからだ。複数の報道によると、フォルクスワーゲン以外のクリーンディーゼル車も、ほとんどが環境基準を全く満たしていないという。フォルクスワーゲンの排ガス不正は欧州の規制当局が4年前に認識していたとのことだから、官民でクリーンディーゼル詐欺を働いていたわけで、欧州車のブランド価値は相当に傷ついたと言えるだろう。となると、これまで欧州市場で劣勢に立たされていた日本車の見直しが一気に進む可能性がある。日欧EPA交渉では、日本は自動車に...
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2度の延長戦で大筋合意に漕ぎつけたTPP閣僚会合

前回予測したように、TPP(環太平洋経済連携協定)閣僚会合はどうにか大筋合意に漕ぎつけられたようである。もちろん、現段階(5日、午後6時)では閣僚による共同記者会見は開かれていないし、合意したとの正式発表もないが、それは合意文書の細部を詰めているからだろう。私はTPP合意なら日経平均は年内2万円回復、決裂なら1万5000円台に急落と予想してきた。どうにか最悪のシナリオは避けられたが、まだ参加12カ国での批准手続きが残されているため、TPP協定が発効するまでは1年前後、オバマ政権が大統領選でもたつけば、2年前後かかってしまう。しかしながら、何度も書いてきたように、TPPは大筋合意さえしてしまえば、安倍政権はそれを「錦の御旗」にして岩盤規制の改革など成長戦略を断行できるため、株価的には一番おいしい段階に差し掛かったと考えている。ただ、一方では中国経済の不透明感に加え、フォルクスワーゲンの排ガス不正問題の余波による欧州経済の底割れ懸念が重なり、株式相場にはかなりの逆風が吹いている。もっとも、世界の株式市場はこれらの悪材料を7月から前倒しで織り込んできたため、ここからは悪材料出尽くし、不景気の...
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日本株の正念場、TPP閣僚会合 PART2

米アトランタで開かれているTPP(環太平洋経済連携協定)閣僚会合は延長戦に突入した。以前から10月2日までの3日間になるかもしれないと言われていたから、それほどサプライズにはならなかったが、議長国の米国が延長を決めた以上、今回は何としても大筋合意に持ち込む腹づもりなのだろう。きのうと今日の日本株が予想外に強く推移したことも、結果的にTPPに対する米国政府の本気さが感じ取れる。私は以前から今回のTPP閣僚会合が決裂したら日本株は暴落してもおかしくないと予測してきた。日経平均は先月29日に714円安の1万6901円と急落し、それまでかろうじて維持してきた1万7000円の大台をあっさり割り込んでしまったので、今回のTPP閣僚会合は決裂なのか?とも思われたが、これは前回書いたように、スイスの資源会社グレンコアやフォルクスワーゲンのメインバンク、ドイツ銀行の経営危機説が原因だった。TPPはあくまでも多国間交渉なので、インサイダー取引はできないのが建前である。しかし、実際には交渉のキャスティングボートを握っているのが米国だけに、彼らだけは今回の閣僚会合の落としどころを知る立場にあった。つまり、イン...
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日本株の正念場、TPP閣僚会合

きのうの日経平均の急落は、内外の機関投資家にとって四半期末であることが響いて決算対策売りやポジションの手仕舞い売りが幅広く出たことが原因と思っている。特に、スイス最大の企業で資源大手のグレンコアの株価が一昨日に1日で約3割も暴落し、経営危機説が流れたことが大きかった。米大手証券会社が「このまま資源価格が低迷すると、同社の株式価値はゼロになる」などとするレポートを出したことが影響したようだ。グレンコアは商品業界のリーマン・ブラザースになるとの見方も浮上し、きのうの東京時間はパニック的に先物の売りが広がった。また、同様にフォルクスワーゲンが第二のリーマンになるとか、同社への融資が多いドイツ銀行が第二のリーマン候補などという見方も出て、売りが売りを呼んだ形である。もっとも、それは投機筋が風説の流布と同様、意図的に流した情報だった可能性もある。実際、きのうはオイルマネーや年金資金と見られる海外機関投資家からの現物売りも相当量出たと伝えられる。しかし、その一方で、今日はそうした大口の現物売りがほとんどなく、長期資金の現物売りは峠を越したとの見方もある。いずれにしても、日本株は明日、明後日のTPP...
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フォルクスワーゲンの排ガス不正問題と米中首脳会談 PART2

先週25日の米中首脳会談は、市場が恐れていた人民元の大幅切り下げを合意するようなこともなく、相場に大きく影響するようなニュースは何も出なかった。一方、フォルクスワーゲンの排ガス不正問題は、BMWなど他の欧州自動車各社にも疑惑が広がりつつある。前回も書いたように、今回の世界同時株安の隠れた爆弾が、この欧州車排ガス不正問題だったことが判明した以上、世界の株式市場を厚く覆っていた霧の一部はかなり晴れたと言っていい。中国経済の先行き不安は今夏から始まったわけではなく、2年前の不動産バブル崩壊と影の銀行(シャドー・バンキング)問題が深刻化したあたりから始まっていた。おそらく、今回の世界同時株安の原因の核心は、中国ではなく、この欧州の排ガス不正問題だったのだろう。EU(欧州連合)の規制当局は2年ほど前からフォルクスワーゲンの排ガス不正の問題を把握していたと複数のメディアが報じている。つまり、官民がグルになって排ガス不正に取り組み、クリーンディーゼルだと世間を欺き、環境を汚染し続けてきたというわけだ。これが中国国内の出来事ならば何ら驚きはしないのだが、温暖化防止だの環境破壊だのと何かと環境保護にうる...
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フォルクスワーゲンの排ガス不正問題と米中首脳会談

シルバーウィークの5連休の真っ最中に、米国でフォルクスワーゲンの排ガス不正問題が発覚した。米国内でたった48万台強しか販売されていない同社のクリーンディーゼル車に対して、罰金は最大2兆1800億円ほどになるという。1台当たり400万円強の罰金になる計算だ。この問題が米規制当局から発表されたのは18日(日本時間19日土曜日)で、大々的にビッグニュースとして報道され始めたのは22日月曜日からである。まさしく習近平主席が訪米した22日にぶつけた感じだ。というのも、中国の自動車市場で最大のシェアを誇るのが同社であり、フォルクスワーゲンへの2兆円規模の罰金は、対中制裁の側面も併せ持っているからだ。その後の報道によると、BMWのクリーンディーゼル車からも走行中に基準値の11倍の汚染物質が計測されたとのことだが、どうやら自動車業界ではクリーンディーゼル車の排ガス不正が常識だったようなのだ。この点については他のメディアで詳しく報道されるだろうから割愛するが、唯一、欧州の最新の環境規制をクリアしているのが、どうやらマツダのスカイアクティブ・ディーゼルらしい。これもいずれ誰かが検証することだろう。いずれに...
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リスク回避の売りはピークアウトか PART3

きのうの米利上げ見送りは想定通りだったが、今日の日経平均の大幅反落は意外だった。今夜は米国市場がメジャーSQ(トリプル・ウィッチング)なので、きのうのFOMCでの利上げ見送り後にNYダウが乱高下したのは致し方ない。ちなみに、きのうのNYダウは利上げ見送り後に197ドル高まで急上昇した後、そこから300ドル近く急反落して、結局65ドル安で引けた。3カ月に一度のメジャーSQ前日のため、買い方と売り方が激しくぶつかった空中戦の結果と読み取れる。その意味では、きのうのNYダウの65ドル安は、利上げ見送りの適正な評価とは言えない。今夜の寄り後か、大引けのNYダウが、利上げ見送りの正当な評価になりそうだ。話を戻すが、東京市場では明日からの5連休を控えて、今日、買いポジションを少し整理しようと思った投資家は少なくなかっただろう。だから日経平均が300円以上急落しても不思議はない、とは言えない。そもそも、日経225先物はCMEで200円以上急落して戻ってきたわけだから、夜中に225先物を売り崩したのはやはりヘッジファンドと見るべきだ。今年最大級のイベントと見られていた16、17日のFOMCの初日にぶつ...
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リスク回避の売りはピークアウトか PART2

表題にある通り、この2日間はリスク回避の売りが減り、逆に空売りの買戻しが優勢になった。明日夜のFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果を見極めてから動きたいという投資家が圧倒的に多いのだろうが、ヘッジファンド中心に貸し株市場で株を調達して空売りした連中は、シルバーウィークの5連休があるため、明日、明後日と来週24、25日の4日間で貸し株を買い戻す必要がある。その一方で、国内機関投資家を中心に9月中間配当を取りに行く買いがかなり入っているようだ。輸出関連などの国際優良株が総じて反発に転じているのは、前述の買戻しと、配当取りの動きが重なったことを如実に表している。おそらく、明日、FRBが利上げを決定したとしても、日本株は一時的にせよ、急反発すると見ている。いわばドテン買いが急増すると思われるからだ。別の言い方をすれば、アンワインドのアンワインドだ(巻き戻しの巻き戻し)。今日、上海総合株価指数が約5%も急騰したのは、まさしくそれだろう。しかしながら、目先は需給の好転で相場が急回復するとしても、9月末で日本では中間期、外国人投資家にとっては第3四半期が終わるため、10月からは投資戦略の再構築に動...
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リスク回避の売りはピークアウトか

今日、明日の日銀金融政策決定会合は、一部で追加緩和期待が高まっているものの、現状維持で決まりだろう。問題は明後日16日、17日のFOMC(米連邦公開市場委員会)だが、利上げが見送られた場合は、いったん買い戻されたとしても、間違いなく市場の混乱は長期化する。利上げが決定された場合は、いったん急落する可能性はあるものの、悪材料出尽くしで、市場の混乱は次第に収まってくるだろう。世界の投資家が本当に恐れているのは、ほぼ予告通りの米国の利上げではなく、やはり中国発の通貨危機と、それに伴う世界経済の予想外の下振れではないか。もちろん、通貨危機の最中に米国が利上げに動くということは、危機に拍車をかけることになるから、それはそれで相当な悪材料ではある。米国の利上げは時間の問題だとはいえ、今回はそれを武器に中国に圧力をかけ、人民元の変動相場制移行を早めさせることに成功しつつある。危機が起きないと中国政府も重い腰を上げないから、今回は悪材料出尽くしにならないようにするためにも、FRBは利上げを見送るという選択肢もある。FRBの利上げカードは、一度使ってしまうと、その価値は激減してしまう。今回、習近平・国家...