ヤマモト

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原油の底打ち感が高まる

今日はNY市場のオプションSQ前日だったが、NYダウは40ドル安と小幅安で大した波乱なく終わった。これに対して、先週の東京市場のオプションSQ前日(11日)は祭日で東京市場は休場だったこともあったが、円相場は海外市場で前日の115円台から一気に110円台まで急伸し、日経平均も翌日には1万4865円と1万5000円の大台をあっさり下回る始末だった。年初からの世界同時株安で、NYダウは昨年8月につけた安値1万5370ドルを一度も割り込まなかった。そして1月20日に1万5450ドル、2月11日に1万5503ドルと下値を切り上げる三点底の形になっている。米国株の堅調さの背景には、ドル安と自社株買いの二大要因があるものの、やはり原油の下げ止まりが相当効いていると見るべきだろう。前回書いたように、今週16日にはロシアとサウジアラビア、カタール、ベネズエラの4カ国が石油相会合を開き、原油の増産を条件付きで凍結することで合意した。これはそもそも、サウジが1月にロシアやOPEC(石油輸出国機構)各国に5%の減産を水面下で呼びかけたことが開催のきっかけになっている。OPECの盟主とも言えるサウジは、昨年1...
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米中対立は新たな火種になるか?

きのうから米国でASEAN首脳会議が開かれている中、日本時間の今日、昼休み時間帯に中国が南シナ海の西沙諸島に射程200kmの地対空ミサイルを配備したとのニュースが流れた。日経平均は午前中に160円高まで上昇する局面があったが、このニュースで急落し、一時前日比で400円以上も急落した。もっとも、米軍は中国のミサイル配備を14日までに把握していたというから、今夜のNYダウには大した影響はなさそうだ。新たな地政学的リスクの高まりで、例によって原油価格はまたもや急落したが、これも一時的なものかもしれない。一方、前回書いたことに関連するが、ロシアとサウジアラビア、カタール、ベネズエラの4カ国が16日に石油相会合を開き、原油の増産を条件付きで凍結することで合意した。他の石油産油国が追随することが条件だという。欧米の制裁解除で原油の増産を計画しているイランは早速反対を表明したが、主要産油国で減産に向けたコンセンサスができつつあるのは確かなようだ。世界の原油生産は日量9600万バレル強あるが、余剰分は100〜150万バレルといわれており、産油国が1.5%の減産で合意すれば、石油需給はひっ迫し、原油価格...
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誤算 PART3

1週間前の当ブログで、今日15日は「ヘッジファンドの解約申し込み(45日ルール)の期限だから、15日まで相場は荒れっぱなしだろう」と書いた。今日も相場は荒れたが、1月22日の甘利大臣スキャンダル発覚以来の大幅高で、上げ幅(1069円)、上昇率(7.2%)ともに今年最大となった。ただし、これで日本株が底打ちした保証はない。年初からの世界同時株安の最大の原因が原油安である以上、原油価格が底打ちしなければ、世界同時株安も終息しないだろう。原油安以外の下落要因は、中国株のバブル崩壊にしても、欧州金融不安、ドル安などいずれも一服しつつある。原油安についてだが、OPEC(石油輸出国機構)の有力メンバーであるアラブ首長国連邦(UAE)のエネルギー相が先週、「OPEC加盟国は他の産油国と協力して減産する用意がある」と発言し、国際的な協調減産の協議が水面下で続いていることを匂わせた。これはロシアなどの呼びかけで今月中に産油国の閣僚級会合の開催を模索中であることを裏付けている。ただ、ゴールドマンなど複数のアナリストが協調減産の実現は難しいと予想している。一方、前回当ブログで予想したように、26日に上海で開...
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誤算 PART2

今日の昼休み時間中に、黒田日銀総裁と、為替介入の司令塔になる浅川財務官が首相官邸に入って安倍総理と会談するとの報道があった。きのう、祭日で日本の参加者がほとんどいない中、ドル円相場がロンドン時間に一気に110円台まで突っ込んだ。しかし、それから2時間余り経って113円台まで一気に急回復したのだが、それは日銀の覆面介入ではないかという噂が流れていた。黒田総裁と浅川財務官の首相官邸入りは、それを裏付けるものと解釈された。前回書いたように、ここまで円高が進行し、日本株が急落すると、政府から何らかのアクションがないと、多くの投資家はお手上げである。日銀のマイナス金利導入に加えて、一昨日の米議会証言でFRBのイエレン議長から、以前効果がないとFRBが切り捨てたマイナス金利政策を「検討する必要がある」との発言が飛び出し、金融市場は世界的に大混乱に陥ったと言える。米国が今年は2〜3回利上げし、日欧が量的緩和を継続すれば、ドル高が続くというシナリオを、ヘッジファンドを含む多くの投資家が描いていたはずである。マイナス金利の導入を決定した日銀もそう考えていただろうが、そのシナリオは完全に崩壊した。日銀はド...
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誤算

日銀のマイナス金利導入が想定外の円高・株安をもたらしたのは、日銀にとっても、市場にとっても大きな誤算だった。私も、マイナス金利導入の効果を完全に読み間違えた。欧州中央銀行が2014年6月にマイナス金利を導入した時は、欧州株は上昇し、ユーロは対ドルで急落した。日銀も似たような効果を狙ったはずだし、私もそう思っていたが、それが完全に裏目に出た。最大の誤算は、ユーロと円の役割、性質が全く違ったことだ。マイナス金利の導入によって、日本では債券先物が大きく買われ、長期金利が初めてマイナスになった。債券先物が急騰するということは、多くの場合、「債券先物買い・株売り」と「円買い・株売り」の裁定取引を誘発してしまう。「債券先物買い・株売り」と「円買い・株売り」はバブル崩壊後の失われた20年の間に頻発した株安局面の定番取引である。日銀は期せずして、日本市場に自爆テロを起こしてしまったのである。従来、市場では日経平均1万6000円、1ドル=115円が黒田ラインとされてきたが、これを自爆テロで突き破ることになったと言えるだろう。ただ、今回の日本株の底割れは、原油安や欧州の金融危機など、海外発の材料というより...
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日銀マイナス金利導入のインパクト PART4

あと1週間で日本の決算発表シーズンは終了する。しかしながら、その来週15日は多くのヘッジファンドの解約申し込み(45日ルール)の期限でもあり、しかも、その前営業日の12日はオプションSQである。11日は祭日で休場であることを勘案すると、15日までの残された4営業日は今日のように荒れっぱなしだろう。ただ、先々週書いたように、私は日本株について弱気から強気に転換した。強気といっても、需給面の最悪期が通過したとの予測を基づいた消極的な強気である。いまが底だから買いを推奨するというものではない。世界的に株式相場が荒れている以上、基本的には生き残りモードで安全運転第一だと思っている。ちなみに、ヘッジファンドの45日ルールで最も売りが出るのは米国株である。ヘッジファンドの運用資産は300兆円弱もあり、通貨ではドル、商品先物では金か原油、株式では米国株の組み入れが断トツだ。株式では米国株に次いで流動性が高い日本株の組み入れが二番手と見て間違いないだろう。なので、来週15日までは米国株にも日本株にもかなりの換金売りが出ると予想される。しかし、年初からの急落に合わせて、空売りの残高もかなりの高水準を維持...
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日銀マイナス金利導入のインパクト PART3

今夜の米雇用統計を控えて、ヘッジファンドを中心に日銀のマイナス金利導入直後に作った「円売り・日本株買い」のポジションを閉じる動きが一気に加速したようだ。米国の企業決算や経済指標が市場の想定を下回って、ドル高期待が大きく後退したことも響いた。昨日、今日の円高・株安は、そうした問答無用の投げ売りが大量に出たことが要因と見ていいだろう。一方で、ドル円相場や日経平均株価がマイナス金利導入前の水準を下回ったことで、日銀のマイナス金利政策の効果が雲散霧消したと解説するメディアがあるが、それは大間違いである。黒田日銀総裁自身が語っているように、マイナス金利の導入と従来の量的緩和の組み合わせは「中央銀行の歴史の中で最も強力な枠組み」である。この「黒田バズーカ3」が継続している間は、国債のようにノーリスクで金利が取れる金融商品が日本から消滅する。そうなると、2〜4%程度の配当利回りが見込める株式やREITには、ゆうちょやかんぽ、投信、地銀など国内機関投資家の運用資金が本格的に流入してくると予想される。今までは、いくら日銀が年間80兆円もの資金を市場に供給しても、日銀の当座預金に預ければ0.1%の金利がつ...
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日銀マイナス金利導入のインパクト PART2

WTI原油先物が30ドルを割り込んだことをきっかけに、再びリスクオフの流れが世界規模で加速したようだ。NYダウは一時340ドル安まで売られ、終値は295ドル安と下げ渋ったものの、東京市場ではドル円相場の120円割れも重なって、日経平均は一気に600円を超える下げ幅となった。基本的にはオイルマネーの大規模な換金売りという「実需の売り」を伴っているだけに、ヘッジファンドから「原油売り・株売り」を仕掛けられると手も足も出ないのが実情だろう。アベノミクスの司令塔だった甘利大臣のスキャンダルが発覚した先々週から、世界的にリスクオフの巻き戻しが起こっていたが、それが一巡してヘッジファンドが再び売り仕掛けに動いた感じである。WTI原油先物が30ドルを割り込んだきっかけは、OPEC(石油輸出国機構)やロシアの協調減産の観測が後退したからだという。ゴールドマンサックスが1日に「可能性は極めて低い」と指摘したのが原因らしいが、ゴールドマンはヘッジファンドとの包括取引で圧倒的なシェアを誇っているだけに、ゴールドマンがヘッジファンドに再び「原油売り・株売り」をやれと指示したようなものである。これは推測の域を出...
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日銀マイナス金利導入のインパクト

前回の続きになるが、今日、新日鉄住金が傘下の日新製鋼の子会社化を検討すると発表した。親子上場の解消ではなく、系列会社の子会社化ではあるが、資本効率や生産性の向上という点では株価に大いにプラスである。トヨタに続いて日本を代表する企業の1つである親日鉄住金がコーポレートガバナンス・コードに沿って行動したという意義は大きい。5月中旬の決算発表をメドに出資比率などをつめて正式発表するという。現在の出資比率は8.3%で、新日鉄住金が筆頭株主。出資比率は51〜66%の範囲になるようだ。こうなると、他の大手企業グループに関しても、子会社の完全子会社化ばかりでなく、系列会社の出資比率引き上げ観測が今後材料視されると見ていいだろう。他の大手企業グループでやりそうなところは、日立、三菱重工、ホンダ、キヤノン、パナソニック、三菱ケミカルHDなどだろう。もちろん、トヨタが最も上場グループ会社が多いので、これが本命であることには変わりがない。二番手は日立である。日銀のゼロ金利導入で不動産関連や消費者金融などのノンバンク株が急騰する一方、一段と運用難に陥ると予想される銀行や生損保、日本郵政グループなどが急落した。...
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甘利大臣のスキャンダル発覚で日本株は底入れか? PART4

前回27日の当欄では次のように書いた。「正直に言って、私は去年の12月最終週から、日本株に対して相当弱気になっていたのだが、このニュース(トヨタのダイハツ完全子会社化)で強気に宗旨替えすることにした。それくらいのインパクトである。」この日の講演会でも、冒頭から私が強気に転換したことを主張している。で、2日後の今日、日銀がマイナス金利の導入を柱とする追加緩和を決定し、日本株の底入れがほぼ確定したと言っていい。正直に言って、日銀の意表を突くマイナス金利導入で、株式市場のムードは一変した。円高・株安の負の連鎖が断ち切られる一方で、対外的には甘利スキャンダルを打ち消すほどのインパクトがあった。いわば崩壊寸前のアベノミクスを日銀のバズーカ3が救った格好である。私は昨年12月から日銀のマイナス金利導入を予想していたが、日銀ウォッチャーの専門家ほど、それには否定的だった。大方のプロの予想を裏切ったからこそ、今回の追加緩和は株価にも円相場にも劇的に効いたのである。マイナス金利の導入で最もメリットが出るのは金利負担の大きい不動産やノンバンクなどの業種だろう。銀行は保有していた国債を売って、日銀の当座預金...