ヤマモト

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国境税調整の衝撃 PART9

ホワイトハウスで昨日、トランプ大統領が製薬業界のCEOを集めて協議し、薬価を大幅に引き下げるよう要請した。その見返りに規制緩和と減税を約束したというが、その席でトランプ大統領は中国や日本が通貨安誘導をしていると述べた。これで円相場は一気に1ドル=112円台に突入する羽目になった。日経平均も、昨日の327円安に続いて、今日も120円程安く始まったが、大引けでは106円高の1万9148円と大きく切り返した。それに加え、ドル円相場も112円60銭から113円30銭台まで急反発したので、やはりトランプ発言は今月10日の日米首脳会談に向けた得意の脅しだったと解釈できる。トランプ大統領は日銀の異次元緩和を通貨安誘導と決めつけたようだが、あくまでも製薬業界幹部との会合の中で出た発言であって、日本や中国に向けた公式なメッセージではない。しかしながら、10日の日米首脳会談ではTPP(環太平洋経済連携協定)に代わる日米FTA(自由貿易協定)の話題が中心になるはずで、トランプ大統領は今後結ぶ貿易協定には必ず為替条項を発言しているので、これを意識した発言であるのは間違いない。もっとも、そうかと言って日米とも中...
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国境税調整の衝撃 PART8

2月10日にワシントンで日米首脳会談が開かれることになった。安全保障問題に加えて、TPP(環太平洋経済連携協定)に代わる日米二国間のFTA(自由貿易協定)が中心議題になると見られており、これを巡って株式市場は再び様子見ムードが高まってきた。トランプ大統領は今後締結するFTAには「為替条項を付ける」と明言しているため、やはり為替に敏感な輸出関連株はどうしても買いづらくなる。必然的に輸出関連株の寄与度が大きい日経平均には下落圧力が働く。トヨタやファナック、信越化学などの主力株はしばらく敬遠される状況が続くだろう。そうなると、目先的には消去法で内需関連株が選好されやすくなる。その中でも業績の上振れ期待が大きい銘柄となると、どうしても中小型株に注目せざるを得ない。今日、ジャスダックや東証二部、マザーズ指数などが揃って大幅に上げたのは、主力株からの資金シフトと見ていいだろう。今日は私が以前から講演会などで取り上げているデクセリアルズ(4980、旧ソニー・ケミカル)が先週末に続き、一時急伸した。業績の上方修正と、それを受けた岩井コスモ証券のレポート(投資判断を新規に強気の「A」、目標株価1450円...
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本日、UPをお休みさせていただきます

お世話になっております本日は都合により、ブログのUPをお休みさせていただきますよろしくお願い申し上げます
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国境税調整の衝撃 PART7

きのうの米国株の急伸を受けて、今日の日経平均は269円高の1万9057円と3日ぶりに1万9000円の大台を回復した。NYダウこそ112ドル高の1万9912ドルと史上最高値(1月6日につけた1万9999ドル)更新とはならなかったが、SP500指数やナスダック指数は史上最高値を更新した。トランプノミクス相場は本拠地の米国株から第2ラウンドに突入したと言えるだろう。日本株に関しては、トランプ大統領が就任初日にアベノミクスの大黒柱であるTPP(環太平洋経済連携協定)から永久離脱すると署名したことで、事実上、大黒柱がへし折れた形になり、米国株のような強い先高期待は薄いのが実情である。安倍政権がトランプノミクスに対応した新経済政策「アベノミクス Ver2」をぶち上げないと、ただでさえ弱気な国内機関投資家の投資マインドを変えることはできないかもしれない。それは安倍総理自身が一番わかっているはずである。日本の景気の腰折れが鮮明になった昨年秋に、安倍総理は「アベノミクスをもう一度ふかし直さないといけない」と発言したが、それから3カ月以上が経った今現在、トランプノミクスに対応した新政策はまったく打ち出され...
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国境税調整の衝撃 PART6

先週末にトランプ大統領が正式に就任したことで、今日は改めてトランプ政権の保護主義政策を悪材料視する売りが出たようである。ただ、これは先週と同様、ヘッジファンドなど短期筋の先物主導の下げであり、年金など機関投資家の大口の実需売りがでているわけではない。今日、引け後に主力株ではトップバッターとなる安川電機の第3四半期決算発表があった。これを合図に日本市場は決算発表が本格化する(来月15日まで)。これに伴い、国内機関投資家は決算内容を見極めようと様子見姿勢を強めるので、どうしてもヘッジファンドなどの先物取引に相場が振り回されやすくなる。これは為替相場も同じだ。しかしながら、安川電機の決算発表で通期予想を最終利益で10%強上方修正したことなどから、輸出関連中心に業績期待が高まってくると推測される。もちろん、「国境税」の悪影響が大きい銘柄群(日産や富士重、マツダなど米国生産比率の低いメーカー)は好決算を発表しても、そこで材料出尽くし売りを浴びる可能性がある。一方、ブリヂストンや信越化学、ダイキンなど米国生産比率の高い多国籍企業は、一段と決算発表で見直し買いが集まる可能性がある。
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国境税調整の衝撃 PART5

今夜のトランプ大統領就任式で、ひとまず世界を大混乱に陥れたトランプ絡みの大イベントはいったん終了する。今後も就任後直ちに行なう「100日アクションプラン」や、一般教書・予算教書演説、国境税を中心とした共和党との税制改革法案の詰めなど、株式市場を揺るがすイベントは継続するが、やはりいったんは材料出尽くしと見ていいだろう。この点では、来週からがトランプノミクス相場の第二幕になると言えそうだ。また、これまでと違って、今日からはツイッターなどの発言にも大統領としての責任が伴うことになる。今までのように無責任な軽口や企業を恫喝するツィートは激減するだろうが、株価や為替相場に大きな影響を及ぼす失言はそれなりにあるだろうから、用心するに越したことはない。つまり、トランプノミクス相場の第二ラウンドが始まると言っても、昨年11月の大統領選直後から12月中旬までのような「押し目待ちに押し目なし」といった上げ一方の超強気相場にはならないだろう。4年前のアベノミクス相場もそうだったが、大相場というのは初期ほど簡単に儲けやすく、時間が経つに連れて難しくなってくるものである。ただ、国境税が「ドル高とワンセット」だ...
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国境税調整の衝撃 PART4

トランプ次期大統領のドル高けん制発言が報じられ、ドル円相場は今日112円53銭の安値をつけた。発言は、人民元に対してドルが強過ぎるというもので、「米国企業が競争できない。ドル高が我々を殺している」といった内容。これは17日付のウォールストリートジャーナルが報じたものだが、インタビューは13日に行なわれている。おそらく、この記事の情報が何らかの形で投機筋などに伝わり、大規模に「円買い・日本株売り」を仕掛けた勢力が複数あったようだ。しかし、そのインタビュー記事が今日、日本でも報じられたことで「お化けの正体見たり」とばかりに材料出尽くしとなり、ようやく日本株もドルも反発に転じたのだろう。今回のWSJが報じたトランプ次期大統領のドル高牽制発言は、中国の人民元に対してのものと、将来的に米景気が拡大してドル高が進んだ場合の懸念を示したものに過ぎない。というのも、国境税をやると自動車や家電製品の値段がかなり上がってしまうので、ドルの購買力を上げて米国民のインフレに対する不満を和らげるには、ドル高を容認せざるを得ない。国境税とドル高はセットと言ってもいいのだ。また、海外からの輸入品に対して一律20%の...
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国境税調整の衝撃 PART3

トランプ次期政権の国境税の衝撃が尾を引き、今日の日経平均は一時220円を超える下げとなった。今日あたりから国境税に関する証券会社や銀行のレポートが出回り始めている。株式市場は今年に入ってまだ8営業日の取引にとどまっているのだが、それでも日経平均は今日、今年の最安値を更新してしまった。大発会からの下落幅は500円弱となった。前回も書いたのだが、国境税で日本企業が受ける影響は差し引きプラスだと私は考えている。国境税の最大のターゲットは中国企業とメキシコに工場を新設した企業である。トヨタは米国生産比率が約7割(北米売上に占める比率)に達していて、おそらく米BIG3を上回る北米生産比率である。北米生産比率が低い日産や、富士重、マツダなどは大変だと思うが、もともと北米でほとんど生産されていないスマホや薄型テレビなどの家電製品や電子部品、工作機械などは、アドバンテージのある大手メーカーがないため、これから「用意ドン!」で北米生産比率を高めていく競争になる。つまり、国境税の悪影響は業界によって濃淡に大きな差があるのだ。実際、法律が制定されてみないとわからない面も多いのだが、トヨタやブリヂストン、信越...
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国境税調整の衝撃 PART2

案の定というべきか、やはりトランプ次期大統領の記者会見後に日本でも国境税が大騒ぎになった。前回少し触れたが、私は今週10日火曜日の日経CNBCの情報番組「マーケッツのツボ」で、国境税調整が今後10年間で最大のキーワードになると予告した。それと同時に、番組ではビックリ予想として年内に1ドル=140円、日経平均2万4000円などと予想したのだが、興味のある人は御覧になっていただきだい。また、11日水曜日の証券スクールの株式講演会でも、国境税の影響と関連銘柄について詳述している(証券スクールのHPでDVDは購入可能)。日本では日経などの大手メディアが国境税を12日まで1度も取り上げていなかったせいで、機関投資家も個人投資家も国境税についてまったく知らなかったようである。だから株価に織り込まれ始めたのは昨日からと見ていい。ただし、大統領選後に日本株を買いまくった外国人投資家の一部は、国境税をよく分析した上で日本株とドルを買っているため、両者の間にはとんでもない情報格差があったと言える。結論から言えば、米国に大規模な工場を持つブリヂストンや信越化学、トヨタ自動車などは国境税でむしろプラスになると...
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国境税調整の衝撃

日本時間で今晩深夜1時から、トランプ次期大統領が当選後、初めて正式な記者会見を行なう。正式な記者会見は大統領選期間中の昨年7月以来、半年ぶりのことだというから、トランプ次期大統領がどれだけマスコミが嫌いなのかがよくわかる。彼のマスコミ嫌いの弊害は意外なところに現れている。その最大の弊害と言えるのが国境税調整だ。私はきのうの夜、日経CNBCの情報番組「マーケッツのツボ」に生出演させていただいた。放送直前の打ち合わせで、番組のプロデューサー兼MCの大石さんに「国境税調整って知ってますか?」と質問したところ、初耳だということで、日経テレコンで検索してもらったところ、日経新聞では夕刊の十字路というコラムで元大和総研の中前さんが1回記事にしただけ、とのことだった。経済専門チャンネルの日経CNBCでも彼の記憶にある限り取り上げていないという。ところが、トランプ次期政権の経済政策の核心が、この国境税調整なのである。恥ずかしながら私も、それに気づいたのが年末で、これまではそれについてリサーチ中だったこともあり、前回のブログでは敢えてスルーさせていただいた。ついでに言うと、私は市場関係者の多くがほぼ必ず...