ヤマモト

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国境税調整の衝撃 PART19

市場関係者が固唾を呑んで見守っているトランプ大統領の議会演説まで、あと2営業日となった。「驚異的な税制改革プラン」を確実に発表するとは限らないのだが、トランプ大統領の予告が来週中に発表するとのことだったため、やはり月末28日と見て間違いないだろう。ただ、市場ではそれほど大きなサプライズにはならないとの見方が広がっている。すでに目玉である国境税の中身について、情報がかなりリークされているからである。現在は、その適用範囲や税率を巡る最後の調整が米下院共和党とホワイトハウスの間で進められている模様だ。前回書いたように、ゴールドマンサックスのレポートでは、トランプ政権の税制改革の影響は市場が見込んでいるよりも小さいことが指摘されている。国境税を取り仕切ることになるのは、ゴールドマン出身のムニューシン財務長官だけに、ゴールドマンの指摘は無視できないものがある。そうだとすれば、やはり来週のトランプ大統領の演説はサプライズなしとして、材料出尽くしの売りや、買い戻しにつながる可能性が高いだろう。
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国境税調整の衝撃 PART18

前回書いたことと関連するが、やはり今週に入ってからの日本株の堅調ぶりは、来週明らかになりそうな米国の国境税と深く関わっているようである。株価が堅調に推移しているのは日本株に限ったことではない。史上最高値を連日更新しているのは米国株だけだが、欧州株や中国株も今週は年初来や昨年来高値近辺で堅調な値動きになっている。これは国境税の中身が、市場が恐れていたものよりも悪影響の少ないものになりつつあることを示している。ゴールドマンサックスは直近のレポートで、トランプ政権の税制改革は市場が見込んでいるよりも米企業の業績押し上げ効果は小さく、かつ、後ずれすると指摘している。それに投資家が気づけば、米国株は急反落するかもしれないと警告している。大統領就任前の激しい発言を見てもわかるが、トランプ大統領は事前に大袈裟に相手を批判したり、とんでもないことをしでかすと予告しておきながら、実際は常識的な対応にソフトランディングすることがほとんどである。国境税は世界経済のルールを大幅に変更する可能性のある税制改革だが、おそらく数年の猶予期間や、すぐに導入されるにしても激変緩和措置が盛り込まれると見て間違いないだろう...
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国境税調整の衝撃 PART17

今日、日経平均は16円高の1万9251円と、かろうじてプラスで終わった。しかし、先週末の夜間取引で先物が一時1万9020円まで急落していたことを考えると、どうも不自然な動きに映る。市況解説ではドル円相場が下げ止まったことや、25日移動平均線(1万9122円)が下支えになって株価の反発につながったとされているが、そんな単純な原因ではなさそうである。トランプ大統領の言う「驚異的な税制改革プラン」の内容をどうするか、最後の調整が米下院共和党とホワイトハウスの間で進められている。共和党は当初、国境税を創設して法人税を撤廃する方針に固執していたようだが、諸外国との税制のバランスがとれないことから、法人税を残して大幅減税する方向になったと一部で伝えられている。しかし、前述したように、税制改革の権限を持つ下院共和党とホワイトハウスの調整はまだ続いていて、落としどころが見えていないのが現状である。日本株やドルが税制改革発表前に下げ止まるとすれば、それは日本をはじめとする対米黒字国が不利にならないような税制改革になりつつあるということだろう。
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国境税調整の衝撃 PART16

市場関係者は2月末頃に発表されるトランプ政権の「驚異的な税制改革プラン」に戦々恐々としている。もちろん、焦点は国境税だが、ホワイトハウスや共和党の情報統制が厳しいらしく、未だにアウトラインがおぼろげながら見えているに過ぎない。当ブログで何度も指摘しているように、米国への輸出品に一律20%の国境税をかけるという共和党案は修正されるようだが、日本製とメキシコ製の自動車と関連部材がメインターゲットの1つになっているのは間違いない。NYダウの連日の史上最高値更新を尻目に、日経平均が低迷しているのは致し方ないところだ。トランプ政権の閣僚人事が大混乱に陥っていることもあって、米国株も「驚異的な税制改革プラン」の発表前後に大きな波乱に見舞われる可能性がある。おそらく、「驚異的な税制改革プラン」の発表日は今年最大のイベントになるだろうから、日経平均は1000円幅で上下するかもしれないと覚悟しておく必要がある。ドル円相場も5円くらい動いても不思議はない。そう考えると、やはり先物の影響を受けづらい東証二部やジャスダック市場のバリュー株は買い安心感がある。中小型のバリュー株の年初来高値更新が相次いでいるのは...
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国境税調整の衝撃 PART15

きのう、就任したばかりのマイケル・フリン米大統領補佐官の辞任が伝えられ、例によって日本株だけが急落する結果となった。なにか悪材料が出たら、すかさず売りを仕掛ける投機筋がそれだけ多いということだが、これはヘッジファンドに限らず、一部の個人投資家にも言えることである。日本株を弱気に見ているのは、個人投資家だけでなく国内の機関投資家も似たようなものだ。とにかく、何をするかわからないトランプ政権になったことで、先が見通せるまで株を極力持ちたくないし、とても強気になれないという気持ちはわかる。しかしながら、先週の日米首脳会談で、米側から日本側に対して貿易戦争を仕掛けるような姿勢は一切示さなかったようである。トランプ大統領が事前に指摘していた日銀の円安誘導政策や自動車貿易の不公平さについても、話題にすらならなかったようだ。もちろん、今回の首脳会談で決まったペンス副大統領と麻生財務大臣が主導する「日米経済対話」では、米側からの厳しい要求が突きつけられることも予想されるが、多くの場合、米側の要求は国境税の創設で達成されてしまうので、二国間協議で米側が、ああしろこうしろと指図する必要もないのである。トラ...
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国境税調整の衝撃 PART14

トランプ米大統領が先週9日、「今後2〜3週間以内に税制改革に関する驚異的なプランを発表する」と発言したことが、世界の株式市場を大きく動かしている。NYダウは連日の大幅高で史上最高値更新中だし、日経平均も昨年来高値の更新まであと150円余りとなってきた。もちろん、日本株では東証二部指数や日経ジャスダック平均は連日の昨年来高値更新となっている。気になるのは中国の上海総合株価指数も上昇していることだ。トランプノミクス相場の第二ラウンドで世界同時株高が起きていると言ってしまえばそれまでだが、トランプ大統領の言う驚異的な税制改革(国境税が柱)で最もダメージを受けるのは中国経済だからだ。もちろん、国境税では日本経済も相当なダメージを受けそうだが、アベノミクスで唯一成功しているのが日本の株式市場改革であり、コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)や4月に改訂されるスチュワードシップ・コード(責任ある機関投資家指針)のおかけで、日本株に関してはプラスマイナスで若干プラスと見ていいだろう。だからこそ、米国勢をはじめとする外国人投資家が日本株に米大統領選後、大挙して押し寄せたのである。その後も彼らは...
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国境税調整の衝撃 PART13

昨年6月のブレグジットや11月の米大統領選が典型例だが、ここ1年ほどは株式市場で悪材料視されている大イベントに向けて株価が急落し、イベント終了とほぼ同時に急反発するというパターンが繰り返されている。私がレギュラー出演している水曜日のCBCラジオ「北野誠のズバリ」や、同じ日の証券スクールの株式講演会でも、10日の日米首脳会談に向けては押し目買いのチャンスだと指摘していた。何かとお騒がせなトランプ米大統領が先週9日、これまでで最も重大と思われる発言をした。「今後2〜3週間以内に税制改革に関する驚異的なプランを発表する」というものだ。この発言を受けて、米国株だけでなく世界同時株高が巻き起こった。日経平均は471円高の1万9378円と急伸。トランプ大統領の円高けん制発言などで長らく停滞していた日経平均は、一気に昨年来高値(1万9615円)の更新が視野に入ってきた。トランプ大統領の言う「驚異的なプラン」とは一体何なのか。当欄では以前、トランプノミクスの核心が「国境税」であると解説した。また、トランプ政権はアップルやマイクロソフトが国外に貯めこんできた海外留保利益2.5兆ドル(約290兆円)をすべ...
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国境税調整の衝撃 PART12

今日は週末のオプションSQ2日前で、いわゆる「急落の急所」といわれる特異日だった。日経平均は前場高く始まって、10時過ぎにはマイナス圏に転じるという典型的な下落パターンになったものの、午後から切り返して96円高の1万9007円とほぼ高値引けだった。1カ月のうちで最も下落しやすいSQ2日前に、日経平均が1万9000円台を回復して引けたのは何かを暗示しているように思える。週末の日米首脳会談については、会談後に安倍家とトランプ家の家族ぐるみのゴルフが予定されているので、トランプ大統領が日本側を徹底的に追い込むような厳しい要求を突きつけるとは到底思われない。そういうことならゴルフなどをセットしないだろう。日本の対米貿易黒字が中国に次いで第二位に浮上してしまったことに対しては、相当厳しい姿勢を示すだろうが、そこは外交交渉であり、日本側からどのような譲歩を引き出したいのかが問題だ。日本の対米貿易黒字が二位になったといっても、全体の9.4%であり、中国の約5分の1に過ぎない。あくまでも推測だが、トランプ大統領は早期に日本との二国間自由貿易協定(FTA)を締結したいと申し入れるに違いない。日本は米国と...
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国境税調整の衝撃 PART11

先週末の米雇用統計は市場予想を大幅に上回る内容だった。それを受けてNYダウは186ドル高の2万0071ドルと急伸したが、ドル円相場にはほとんど影響せず、112円台半ばで帰ってきた。ただ、前回指摘したように112円の壁は厚く、東京市場でも112円19銭を底に切り返した。ちなみに、ドル円相場は去年の10月5日から75日移動平均線が下値抵抗線となっている(それまでは上値抵抗線)。以来、ドル円相場が75日移動平均線を割り込んだのは米大統領選直後の一瞬だけだった。今日時点でそれは111円70銭近辺だが、今回も75日線が強力な下値抵抗線になりそうな気配である。今日4時半にトヨタ自動車の決算発表があった。通期の最終利益を1兆5500億円から1兆7000億円に上方修正したものの、先週末発表したホンダの大幅増益(通期の最終利益を58%増の5450億円としたが、これは従来予想を約3割上回る水準)とは違って、26.5%の減益予想である。もっとも、トヨタの決算発表と同時に始まった日経225先物のナイトセッションは1万9000円で寄り付いて1万9020円まで買われたから、トヨタの上方修正を好感したものと思われる...
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国境税調整の衝撃 PART10

今日の日経平均は出入りの激しい値動きになった。寄り後に100円以上値上がりしたかと思えば、前引けでは80円近い下げとなり、後場寄りでは再び100円以上あげて、すぐさまマイナス圏に突入と忙しかった。今夜の米雇用統計に絡んだポジション解消とポジション構築が交錯したのだろうが、1万9000円の攻防は来週末の日米首脳会談まで継続すると見ている。ドル円相場についても、112円の下値がかなり固くなってきた感じだ。今日の雇用統計は大きなイベントなので、結果次第では112円割れもあるかもしれないが、3月期末に向けた日本企業のドル買い意欲が相当強いので、大きく下振れしたとしても限定的だろう。むしろ、114円前後までの上振れもありうる。今日の引け後にホンダの決算発表で大幅な業績予想の上方修正があった。週明け6日にはトヨタの決算発表もあるが、来週末10日に日米首脳会談を控えているだけに、政治的に問題になりやすい大手自動車メーカーの好決算は黙殺される可能性もあるだろう。というのも、10日の首脳会談で日本の対米貿易黒字が問題になるのはほぼ間違いなく、その大半が自動車輸出だからである。トランプ大統領はトヨタが米国...