ヤマモト

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世界貿易大戦 PART11

やはりと言うべきか、またしてもと言うべきか、トランプ大統領発の悪材料で今日の日経平均は300円安と、今月2番目の下げ幅となった。ドル円相場が110円70銭台まで円高に振れたことも下げを加速したと言える。朝方弱かった上海総合株価指数が1%以上も上昇し、NYダウも時間外取引はほぼ前週末比変わらずで推移していただけに、日本株の弱さが際立った格好だ。前回書いたように、トランプ大統領が仕掛けた貿易戦争で世界経済が大混乱している中で、日本株は歴史的に見てかなり高い水準に張り付いている。信用取引の高値期日が通過しつつあり、株式の需給面は劇的に改善しているとはいえ、やはり今は新規買いに動くべき時期ではないというのが私の考えだ。明後日25日に米欧貿易協議が始まり、その直後から日米の通商協議(FFR)もスタートする。とりあえず、そこで米国側がどのような要求をつきつけてくるのか見極めないと、今後の投資方針も決められないというのが多くの機関投資家の考え方だろう。今は嵐が通り過ぎるのをひたすら待って、次の投資チャンスまで体力温存に集中したいところである。
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世界貿易大戦 PART10

日経平均が2万3000円の大台に近づいた途端、やはり悪材料が噴出してきた。今日は直近の人民元の急落(きのうは対ドルで0.9%も下げた)が警戒され、前場中ごろから日経225先物に大量の売りが出て、日経平均は午前10時台に前日比100円高から220円安へと一気に320円ほど急落した。前回も書いたように、先週6日からの急反発で株式市場には強気に転換する市場関係者が急激に増えたものの、私はまだ弱気から抜け出せないでいる。そもそも、トランプ大統領が仕掛けた世界貿易戦争の悪影響が、景気指標や企業業績という形で表に出てくるのはこれからであり、単に株価が空売りの買い戻しで勢い良く上がってきたからといって、そこで強気に転換するのは筋が通らない。米国発の貿易戦争で世界がこれだけ混乱しているにも関わらず、日経平均は今年1月につけた27年ぶりの高値から現時点でわずか5%ほどしか下げていない。つまり、長い目で見れば、これだけ歴史的な悪材料に直面していながら、日経平均は十二分に高い水準にあるわけだ。世界経済や企業業績が、かつてないほどの不透明感にさらされながら、27年ぶりの高値水準にある株を買うというのは、正直な...
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世界貿易大戦 PART9

日経平均は今日、一時250円ほど急上昇して2万2949円と2万3000円の大台に肉薄した。大引けでは96円高と伸び悩んだが、国内機関投資家の戻り待ちの売りや、2万3000円の大台突破は難しいと見たヘッジファンドから新たな空売りが入ったようである。ただ、3月下旬以降の戻り相場で2万3000円の大台に挑戦するのは5月21日、6月12日と今回で3回目になる。テクニカル面や株式需給面で日経平均の2万3000円突破は非常に有力だと見る向きが多い。「日本株は買いだ」と強気転換する専門家も結構いるのだが、私はまだ弱気から抜け出せていない。というのも、トランプ大統領が仕掛けている貿易戦争の落としどころがまったく見えないからである。しかも、今月25日から米国はEU(欧州連合)との貿易協議を始めることになっている。トランプ大統領はかねてから欧州車への20%追加関税が「EUとの不公正貿易を改める最大の武器になる」と発言していて、それを交渉材料にEUに対して相当強く譲歩を迫る見通しである。また、早ければ今月末から日米通商協議(FFR)も始まる。ここでもトランプ政権は日本車への25%追加関税を武器に、農業や医療...
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世界貿易大戦 PART8

今日は東京市場のオプションSQだったが、SQ通過で逆にヘッジファンドなど投機筋の買い戻しが加速したようである。先週末からの踏み上げ相場に耐えてきた売りポジションを、オプションの清算とともに一気に解消したのだろう。相場が本当に弱い時であれば、SQ通過でヘッジファンドは改めて売りポジションを構築するのが恒例であり、SQを境に株価が急反落するパターンが多いものである。今回そうならなかったことは、短期的な相場の行方を占う上でかなり重要である。また、きのうナスダック総合株価指数が史上最高値を更新したことや、今週10日に日本と対米貿易で同じ立場に置かれているカナダのトロント総合指数が史上最高値を更新したことも大いに気になる。米中貿易戦争により、企業業績や世界経済が悪化するのはこれからである。にも関わらず、半年以上先の景気を読んで動くと言われる株価が、ナスダック指数とトロント総合に限ったことだが、史上最高値を更新するというのは尋常でない。これは、トランプ政権が考えている米中貿易戦争の落としどころが、それほど悲惨なことにはならないと確信している大口の投資家が複数いることを物語っている。
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世界貿易大戦 PART7

前回の当欄では、「直近の株価の急騰はあくまでも空売りの買い戻しが主導するアヤ戻しである。『貿易戦争懸念が薄らいだ』というのは、あくまでも市況解説に過ぎず、一時的なものである」と書いた。まったくその通りだった。これも前回指摘したのだが、トランプ政権は7月20日に総額500億ドルの追加関税のうちの、残りの160億ドルを実施すると報じられていたから、私はこの日に米国側の報復関税2000億ドルを同時に発表すると読んでいた。しかし、それが10日前倒しされて、日本時間の今朝6時過ぎに公表された。いまさらだが、先週末からきのうまでの、「空売りの買い戻し」によるアヤ戻しの最中が、ポートフォリオの再構築やポジション調整を行なう絶好のチャンスだった。簡単に言えば、そこが戻り売りのチャンスだったわけだが、それを実行できた人は「生き残れる人」だろう。急激な反発を見て、乗り遅れまいと買い向かった人は、投資戦略を根本から見直すべきかもしれない。正直なところ、いまは現物取引でも新規買いは見送るべき局面だと思っている。言い換えれば、バーゲン・ハンティングに出かけるのはもう少し先ではないか思うのだ。トランプ政権の戦略が...
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世界貿易大戦 PART6

米中貿易戦争の悪材料は先週末の追加・報復関税の実施で、相場的にはいったんアク抜けとなった。今日の日経平均は264円高の2万2052円と、6営業日ぶりに2万2000円台を回復して引けた。NYダウが先週末の99ドル高に続き、時間外取引で一時150ドル高の2万4600ドル台に乗せたことが好感された。また、上海総合株価指数も2%以上急騰したことで、米中貿易戦争の懸念が大きく和らいだ格好だ。しかしながら、直近の急騰はあくまでも空売りの買い戻しが主導している。つまり、アヤ戻しである。「貿易戦争懸念が薄らいだ」とか、後退したというのも、あくまで市況解説に過ぎない。あるいは一時的なものである。本質的な意味で貿易戦争懸念が薄らいだかと言えば、まったく薄らいでいない。というのも、7月6日に米中が追加・報復関税をかけあったのは、総額500億ドルのうちの340億ドル分であり、2週後の7月20日に残りの160億ドル分を実施するからだ。トランプ大統領が中国側に再度、2000億ドルの報復関税をかけるのは、おそらくこの時である。7月20日といえば、夏真っ盛りで、欧米では議会も企業も夏休みシーズンに入る。日本ではお盆休...
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世界貿易大戦 PART5

米中両国は遂に制裁・報復関税を掛け合うことになった。これにより米中貿易戦争は局地戦から全面戦争に移行するが、今日の株式相場は逆にアク抜け感が出て、日経平均は午後2時半現在で300円余り急反発した。このあとの仕事の関係で大引けの状況は書けないものの、米国株も時間外取引で大きく続伸していることもあり、目先は買い戻し優勢の展開になりそうだ。とはいえ、今はおいそれと気軽に買い出動できる市場環境ではない。東証の売買代金に占める空売り比率がこのところ47%前後まで上昇していたため、買い戻し需要だけでも膨大な金額である。買い戻しが本格化すれば1週間前後はアヤ戻しが続いてもおかしくない。しかしながら、米中2大国の大規模な輸入制限は、部品や素材を供給する幅広い国に相応の悪影響をもたらす。それが世界的な景気後退につながるのは時間の問題だろう。もちろん、それは米中両陣営が十分わかっていることで、いつまでもチキンレースを続けるとは思えない。今後、どのタイミングで双方が折り合いをつけるかが、今後の相場を占う上で最重要ポイントになる。
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世界貿易大戦 PART4

米中貿易戦争の天王山である7月6日を直前に控えて、株式市場では一段と見送りムードが強まった。日経平均は昨日と同様、安値から100円以上戻して引けたが、個人投資家の売買比率が高いジャスダック市場は安値引けとなり、日経ジャスダック平均は年初来安値を更新した。東証マザーズ指数も年初来安値を更新して、昨年9月の北朝鮮の弾道ミサイル騒動のレベルまで下げた。今日は米半導体大手マイクロン・テクノロジーに対して、中国の裁判所が特許問題に絡んで一部製品の中国での販売禁止命令を出したことが嫌気されて、半導体関連株が世界的に急落した。日本では東京エレクトロンが一時5.3%安、SUMCOが一時6.5%下げるなど、強い悪影響が出ている。半導体は米中の覇権争いが最も激しい分野であり、中国政府は米中貿易戦争と切り離して米国側に報復を強める意向のようだ。トランプ政権が中国の製造業革新戦略「中国製造2025」を油断ならない国家戦略として危険視しているのは間違いない。その中心に据えられている半導体産業に中国の国家予算が大規模に投入され、米国の知的所有権が盗まれているというのが、ホワイトハウスの見解である。米国製半導体を入...
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世界貿易大戦 PART3

日経平均は今日、一時500円超下がり、5月30日につけた2万1931円のザラ場安値を割り込んだ。今週末に予定される米中の追加・報復関税の実施日を控えて、買い持ち高を減らしたり、新たにヘッジ売りを出すなどの、ポジション調整の動きが広がっている。ただ、今日の急落は欧州系のCTA(商品投資顧問)による売り仕掛けが要因との見方が有力だ。現物株が薄商いの中を先物主導で急落したのが何よりの証拠である。米中の報復合戦がどのような結末を迎えるのかは、現時点では米中の当局者周辺のみぞ知る機密事項だし、もう少し突っ込んで言えば、中国側はトランプ大統領の意向を掴みかねているので、中国当局者にもどんな結末が待っているかは知りえない感じなのだろう。いずれにしても、今週末の天王山まで、極力新規投資は控えて生き残りモードに徹すべきだ。今日、メキシコで対米強硬派の左派大統領が誕生したのも気になる。米国株式市場が比較的堅調なので、今週末の大イベントを軽視する向きも多いようだが、それはとんでもない間違いである。
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世界貿易大戦 PART3

今日は日経平均が34円高と3日ぶりに小幅反発したが、この4日間の日経平均の動きはほぼ同じレンジでの推移となっている。チャートで言えば、過去2ヶ月間、日経平均は75日移動平均(今日で2万2181円)を割り込んでいない。この4日間は終値ベースではすべて75日線をギリギリ上回っている。もちろん、来週末に迫った米中両国の追加・報復関税の掛け合いがどうなるかで、75日線の下支えラインなど、簡単かつ大幅に割り込んでしまうリスクは十分にある。ただ、今日は上海総合株価指数が2.2%高と5日ぶりに大幅反発したことで、米中の水面下の貿易交渉で何らかの進展があったことを期待させる感じになった。その確証は何もないのだが、ここ数日、中国の政府関係者や国営メディアが中国の先端技術の一部について、米国に依存していたり、欧米に劣る部分があると認める発言や報道をするなど、反省の色がうかがえるようになってきたのだ。これまでは中国の国産技術を大袈裟に称えたり誇ったりする発言や報道ばかりだった。つまり、中国政府が今週になって米国の追加関税に真っ向から報復するのではなく、トランプ政権の意に沿う方向で譲歩をする準備を進めている可...