ヤマモト

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米中貿易戦争は終わらない PART22

日経平均はほぼ2週間ぶりに2万2000円の大台を回復した。トランプ大統領が来月1日に米中首脳会談を開くと名言したことから、きのうのNYダウは序盤の220ドル安から大引けでは108ドル高と300ドル以上も反発して引けた。ドルも買われ、ドル円相場は今日、113円90銭まで戻してきている。米中貿易戦争の休戦への期待が高まり、世界的にリスクオン状態になりつつあるようだ。リスクオンといっても、今は空売りの買い戻しが中心であって、新規の資金が流入して上昇している市場はそれほどない。ただ、日本では配当利回り狙いでREIT(上場不動産投資信託)に新規資金がかなり流入しているようだ。東証REIT指数は今月に入ってほぼ一本調子で上昇し、今日まで3日連続で年初来高値を更新、1年9ヶ月ぶりの高値となっている。11月の上昇率は4%を超えた。REITの好調さは、ヘッジファンドや個人投資家の持ち株比率が少ないことが幸いしている。とりわけ、REITは空売りしたり、信用買いする投資家が少ない一方で、一度上昇を始めると年金などの長期資金が継続的に入る修正がある。米国では長期金利の上昇でREIT相場も軟調だが、日本は日銀の...
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米中貿易戦争は終わらない PART21

2025年の大阪万博開催決定は日本に小さな神風をもたらした。それは株式市場だけでなく、経営者や消費者のマインドを明るくしたという意味でも日本経済にかなりプラスに働くと言えるだろう。とりわけ、経営者や投資家は東京オリンピック後に経済が停滞すると見る向きが非常に多かったから、大阪万博開催がマインド転換を促す効果は相当に大きいと推測される。ただし、国内機関投資家や外国人投資家は基本的に月末か来月1日開催予定の米中首脳会談待ちの様子見である。米中で事実上の休戦協定が合意されるとの見方が増えつつあるが、トランプ大統領のことだからフタを開けてみないとどうなるかわからない。その一方で、ヘッジファンドのポジション解消・換金売りは峠を越したようである。もちろん、ヘッジファンドの換金売りは例年12月のメジャーSQまで続くので、まだ安心はできない。しかしながら、NYダウに比べて日経平均の底堅さが目立つようになったところから見て、日本株に関してはヘッジファンドのポジションは総じて「売り長」であり、米国株に関しては「買い長」であると推測できる。それがヘッジファンドのポジション解消・換金売りによって日本株の底堅さ...
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米中貿易戦争は終わらない PART20

まったくもって人騒がせなゴーン・ショックはさておき、きのうのNYダウが551ドル安と急落したのに対して、日経平均は75円安と小幅安で終わった。今月9日にもNYダウの602ドル安のあと、日経平均が236円安と下げ渋ったことがあったが、日本株はここにきて米国株離れが顕著になってきている。株だけでなく、ここ2週間ほどは原油などの国際商品、仮想通貨、ジャンク債の相場が大荒れとなっている。大規模な世界同時株安は今年2回目ということもあり、株式市場では株価の乱高下に耐性を持つ投資家がかなり増えているから、2月の同時株安の時よりも市場は落ち着いている。しかし、商品先物や仮想通貨市場では、ここ1~2週間で瀕死の重傷を負った投資家が少なくないようだ。WTI原油先物価格は今月13日と20日に、それぞれ10%弱の急落を記録した。商品先物は概ね10倍前後のレバレッジがかけられるため、わずか1日で追証どころか元本消失もありうる急落になった。さらにビットコインは19日の63万円台が、21日には一時47万円台と約25%も暴落した。11月上旬までの2ヶ月ほどは、70万円前後の狭い値幅で揉み合っていたため、一気に下放れ...
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米中貿易戦争は終わらない PART19

株式市場では今月末のG20(20カ国・地域首脳会合)に合わせて開催される米中首脳会談で、米中貿易戦争の休戦が実現するかどうかに注目が集まっている。これは当面の株価を占うだけでなく、企業の設備投資や在庫投資など、世界の企業業績の動向すら大きく左右する大イベントでもある。これに合わせて、中国は貿易摩擦を緩和するための142項目の行動計画を米側に提出したとされる。トランプ大統領はそれを受けて先週末に「取引で合意するかもしれない」と貿易戦争の休戦を匂わせたが、「重要な4~5項目が解決されていない」とも述べている。株式市場は「休戦合意が近い」との見方から、これまで急落していた銘柄を買い戻す動きも活発化しつつある。また、決算発表シーズンが終わったため、テーマ株や成長期待の強い中小型株にも見直し買いの動きが見られる。とはいえ、まだ今年2回目の世界同時株安の日柄調整局面の最中であり、投資家の買い意欲もそれほど戻ってきてはいないと言える。トランプ大統領の今後の最大の政治課題は、2020年の大統領選で再選を果たすことにある。それにも関わらず中国だけでなく、日欧などの同盟国にまで喧嘩を売った貿易戦争の悪影響...
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米中貿易戦争は終わらない PART18

今日は米国発の悪材料がいくつか飛び出し、株価の上値の重さが際立った感じである。その悪材料とは、日本の個人投資家にも人気な米画像処理半導体大手のエヌビディアと、半導体製造装置世界最大手のアプライド・マテリアルズの発表した業績見通しが市場予想を大幅に下回ったことである。エヌビディアは時間外取引で16%ほど急落し、その連想からエヌビディアの半導体を使う任天堂の株価も今日、一時10%強急落した。任天堂はソフトバンクと並んで信用買い残がダントツで多い銘柄として知られる。金額ベースではソフトバンクを若干上回って信用買い残トップと思われるが、その任天堂が今日は大引けでも9.1%安で年初来安値を大幅に更新して終わった。一方、ソフトバンクも、例の10兆円ファンド(ビジョンファンド)がエヌビディアの大株主であり、その連想で3%安となった。ここ数年、世界の株式相場を引っ張ってきた米ハイテク大手の株価が軒並み急落し、成長期待の高い大型グロース株や中小型のテーマ株が軒並み投げ売りされる展開になりつつある。これは資金流入が大きかったヘッジファンドや伝統的な株式投信、あるいは日本のGPIF(年金積立金管理運用独立行...
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米中貿易戦争は終わらない PART17

前回書いたソフトバンクのIPOだが、12日に東証が正式に上場を承認したのに合わせて、証券会社には個人投資家から大口の問い合わせが相次ぎ、割当分が実質的に完売する見込みの証券会社もかなり出ているようだ。まだ公募価格が決まっていないので、それが決まる来月10日にならないとIPOが成功するかどうかは不明だが、とりあえず「ソフトバンク・ショック」はピークアウトした印象だ。おとといの米アップル株の急落は、協力会社への出荷抑制依頼が原因とされるが、これはスマホ販売見込み台数の減少というよりも、米中経済戦争の影響がより濃く出てきたという印象を受ける。トランプ政権は9月に新たに中国製品2000億ドルに対して10%の追加関税を決めたが、これが来年1月から25%へと引き上げられれば、スマホだけでなく、モバイル製品や家電製品全般の減速が鮮明になるのは目に見えているので、こうした市場の縮小による企業業績の減益傾向は今後大幅に高まると覚悟する必要がある。もちろん、それはすでに株価に織り込まれつつあるわけで、今に始まったことではない。株価も概ね半年から1年後の業績を予想して動いているわけで、今回のアップルのような...
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米中貿易戦争は終わらない PART16

ソフトバンクグループの通信子会社ソフトバンク(9434)の株式新規公開が来週月曜日に決まった。市場からの資金吸収額は約2.6兆円と、世界でも歴代1位となる。それだけでも市場関係者の警戒感は強いが、現場では新規公開株の売れ残りがさばけないという悲鳴もあがっている。31年前のNTTの調達額2.3兆円を上回ることもあり、NTT株の悲劇の再来を予想する声もある。ソフトバンク株購入のための換金売りは先週がピークだったと言われている。もちろん、まだ換金売りは続いているようだが、親会社のソフトバンクグループ株は10月初めの1万1500円から30日には8345円と3200円近く下がっていて、その間に親会社売り・子会社買いのための大口の換金売り(空売りを含む)はピークアウトしたと見られる。ただ、いずれにしてもこれだけの規模の資金吸収が世界同時株安後の病み上がりの東京市場に少なからず打撃を与えることには注意を要する。IPOが成功すれば全く問題はないが、87年のNTT株上場は日本の証券史に残る大失敗だけに、やはりタイミングが悪すぎるという印象だ。とりわけ、菅官房長からの要請で、携帯3社は来年4割近くの値下げ...
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米中貿易戦争は終わらない PART15

今日の日経平均は236円安と急落したが、時間外取引では午後5時45分時点で、さらにそこから140円安い2万2110円と昨日の急騰分をほぼ全て失うレベルまで下げてきた。これで米中間選挙と今日のオプションSQ通過に伴う波乱は出尽くした感じがする。ドル円相場も今日は一時、1ヶ月ぶりに114円台に乗せたが、これも113円台後半に下押してきた。決算発表シーズンも終盤に差し掛かり、好業績株を一本釣りする物色の流れが来週いっぱいで終了する見通しだ。そこから先は、マザーズなど新興市場の底打ち感が高まったこともあり、テーマ株を再び循環物色する流れに戻ると予想される。まずは、国会の論戦が13日から本格化することもあり、外国人労働者受け入れ拡大にまつわる銘柄辺りが注目されるだろう。米国ではアマゾンなど大型成長株の見直し買いが活発化しているが、それがどの程度持続するのかが問題である。昨日は急反発の反動もあってFANG(フェイスブック、アマゾン、動画配信のネットフリックス、グーグル)の株価は全て反落している。目先はやはり今月末の米中首脳会談で貿易戦争の緩和・休戦に関して何らかの合意ができるかどうかで株価の動きは...
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米中貿易戦争は終わらない PART14

米中間選挙はほぼ下馬評通りの結果になろうとしている。午後4時半現在、上院は共和党が過半数維持を決め、下院は民主党の過半数奪還がほぼ確実となった。トランプ大統領も「今夜はものすごい大成功だ。みんなありがとう!」とツィートした。しかしながら、上院は35議席の改選のうち、その3分の1の11~12議席ほどしか獲れない模様で、下院も30議席前後を失う見通しだ。つまり、議席数的にはボロ負けに近い。それでも、上院の過半数を維持したことは大きく、これにより議会承認が必要な閣僚や省庁の幹部人事権を引き続き掌握できることになる。また、過半数を失ったとはいえ、共和党の下院議員から反トランプ勢力をほぼ一掃できた点もトランプ大統領にとっては大きくプラスに働く。議会運営に関しては、ねじれ議会になったとはいえ、これまでとさほど変化はないと考えられる。いずれにしても、今年最大で最後の大イベントを通過し、投資家は世界的に動きやすくなったと言える。もちろん、米中貿易戦争の悪影響は今後強まる見通しだが、一時凍結状態になっていたリスクマネーが再び株式市場や為替市場に戻ってくるから、新たなトレンドが形成されてくるだろう。
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米中貿易戦争は終わらない PART13

今日の東京市場はユニクロを運営するファーストリテイリングの大幅安が足を引っ張った。10月の売上高が10%減と3年ぶりの大きさとなり、株価は2880円安の5万7650円で引けた。この1銘柄で日経平均を約100円押し下げている。これを考慮すれば、今日の日経平均の344円安は先週末の大幅高の反動と見ていいだろう。前回の当欄で書いたように、先週末の日経平均が556円高と大幅高したのは、トランプ大統領が今月末のG20(20カ国・地域首脳会合)で、中国と貿易問題で何らかの合意を目指していると表明したからで、それは事前にトランプ大統領周辺に漏れていたと見るのが自然である。今日の急落は、それが剥げ落ちただけに過ぎない。いよいよ米中間選挙が明日に迫り、トランプ政権は米国民から米中貿易戦争の審判を受けることになっている。ただ、選挙結果は下馬評からそれほど極端に変わるとは思えず、与党共和党の下院過半数割れを想定した現在の米国株相場に大きな下振れはないと予想する。一方、日本市場は今週末のオプションSQと来週半ばまで続く決算発表シーズンを考慮すると、引き続き調整局面が続くと想定される。ただ、今日、マザーズ指数が...